これからベトナムへ移住を検討している方にとって、どの都市に住むかは非常に重要なポイントですよね。
ベトナム国内でまず比較対象にあがるのは2大都市ハノイとホーチミン。
同じベトナムでも気候から街の雰囲気まで大きく異なるハノイとホーチミンを、カテゴリー別に徹底比較していきたいと思います。
ハノイに3年、ホーチミンに1年住んでいる筆者が見ているリアルに比較をお届けしますので、悩んでいる方は要チェックですよ◎
カテゴリー別比較:ホーチミンVSハノイ
①家賃
800ドル以下のサービスアパート(掃除や洗濯などのサービス込みの部屋)はハノイの方が2割近く安いです。
筆者がハノイに住んでいた頃はタイホーエリアと呼ばれる欧米人や日本人が多いエリアで、築3年の1ベッドルームに380ドルで住んでいましたが、ホーチミンで同クオリティを探したときには600ドルの物件しか見つけることができませんでした。
ホーチミンの1ベッドルーム程度の単身向けサービスアパートはホーチミンでは最低500~600ドル程度は掛かりますが、ハノイでは400ドル程度で借りることができます。
一方、1000ドル以上するコンドミニアム(ジムやプールなど完備で、タワーマンションのようなアパート)のような部屋であればホーチミンの方が安いこともしばしばあります。
ハノイと比較するとホーチミンはコンドミニアムの数が多いため、値段も少し安く、選択肢も多いのが特徴です。
※ホーチミンの部屋は1ベッドルームだとバスタブが付いていない部屋がハノイと比べると非常に多いです。その代わりにプールがついているというケースも多いです。
ハノイは冬があり、ホーチミンは常夏であるというのも影響しているのかもしれませんね。
②生活費
生活必需品やスーパーでの食材の購入などは大きく差はありませんが、ローカルレストランでの食事代はハノイの方が安い傾向にあります。
ハノイに住んでいた際にローカルレストランでフォーを一杯食べると30,000~35,000VND程度でしたが、ホーチミンでは40,000~50,000VND程度掛かっています。
ローカルレストランで70,000VND前後の麺料理もざらにあるので少々高く感じます。
一方で、日本食レストランはホーチミンの方が充実しており競争率が高いこともあってか、クオリティも高くハノイよりも安価で食べられる食事が多いです。
また、吉野家や一風堂などのチェーン店はホーチミンにのみあり、日本食の価格を押し下げている要因でもありますね◎
タクシー代金はホーチミンの方が少し安い印象がありますが大きな違いはありません。
総合的にみると、家賃がホーチミンの方が高く生活費はあまり変わらないため、全体の支出としてはホーチミンの方が上がることが予想できます!
③気候
ハノイとホーチミンで大きく違うのが気候です!
意外と知られていませんが、ハノイは中国のすぐ下に位置し四季がある街なのです。1~2月の最も寒い時には10度を下回ることも稀にあります。
短いですが春や秋もあり、11月頃は1年の中でも最も過ごしやすく気持ちの良い季節となります。
1年の中で半年近くを占めるのは夏で、夏は気温が40度近くまで上がり湿度も90%を超える日々です。
年間を通して湿度が高いため、革製品などはあまり持ち込まないことをおすすめします。
お天気は年間を通して晴れ間は少なく、どんより曇っていることが非常に多いので、日本海側の天気に似ているといわれています。
一方でホーチミンは常夏の街。乾季と雨季の2つに分かれており、年間を通して30度前後の気温を推移しています。
乾季は基本的に1日ずっと青空が続き、雨季でも1日に1~2時間ほど激しいスコールが降ったらその後はすっと止み、涼しくなるのが特徴です。
気候の変化が少ない分住みやすいですが、常に晴れていて紫外線が非常に強いのでその点は注意ですね!
上記の点から、気候は、東南アジアらしいホーチミンを好まれる方が多い印象ですが、四季を感じたい!という方にはハノイが人気ですよ◎
④食事
食事は大きく分けてローカルフードとイタリアンフレンチなどの洋食、日本食の3つのカテゴリーに分けることができます。
≪ローカルフード≫
ハノイはベトナム料理の味付けが中国のルーツが強く出汁の味や塩味が多く、日本人の口に合いやすいです。
一方ホーチミンを含む南部は甘味の強い味付けが多く、フォーの出汁なども砂糖が多く入った甘いスープが多くなっています。
また北部の方がヘルシーな料理が多く、揚げ物などの脂を多く使う料理も南部に多い傾向があります。
ローカルフードは味もお値段もハノイに軍配が上がります。
≪イタリアン・フレンチなどの洋食≫
ホーチミンには2区のタオディエンというエリアが欧米人が多いエリアとなっており、おしゃれなイタリアンやフレンチ、バーなどが点在しています。
ハノイにもタイホーエリアという欧米人が多いエリアがありますが、その規模はホーチミンが2倍以上で素敵なお店が多くなっています。
ホーチミンは川沿いのオープンスペースなどが多い一方、ハノイは隠れ家風のお店が多く、地理や気候の違いも関係しているのかもしれません。
≪日本食≫
ホーチミンの日本食は、海外で食べられる日本食の中でも非常にレベルが高いと評判です。
ラーメン、お寿司、焼肉、チェーン店、なんでもあり、また海外で食べることを考えると比較的安価で食べられるのも嬉しいポイントです。
定食であれば1000円程度、居酒屋もあればカウンターのお寿司屋さんもあり、なんでもあるので日本食が食べたい方はホーチミンがおすすめです◎
一方ハノイは、ホーチミンと比較すると日本食レストランの数は少なくなります。
それでも近年では、2023年にはカレーチェーン店ココ壱番屋が初めて進出しました。
ハノイは政治のお膝元であり、外国企業に参入障壁が高いためチェーン店やコンビニなどもホーチミンのみ進出しているケースがほとんどです。
参入障壁の高さから、レストランの数が増えないこともありなかなか競争率が上がらないのが難点です。
そうはいっても、ハノイでも一通りの日本食を食べることができますので安心してください◎
上記の通り料理によって違いがありますが、ローカル料理はハノイ!洋食や日本食はホーチミン!という声が多いです。
⑤教育・習い事
お子さまがいる方にとっては重要なのが、現地の教育事情ではないでしょうか。
まず、最も日本人のお子様が海外で通うことの多いのが現地の日本人学校。日本人学校はハノイ・ホーチミン共に1校ずつあり、小学部の1年生から中学部の3年生まで通学可能です。
ハノイは小学部が約400名、中学部が約90名、ホーチミンは小学部が約400名、中学部が120名と海外の日本人学校の中でも規模の大きい学校となっており、2024年現在生徒数はまだ増える見込みだとのことです。
高校からは日本人学校がなく、インターナショナルスクールか現地校になってしまうため、高校受験のタイミングで帰国する家庭が多くなっています。
また、学校外での塾や習い事も年々増えてきています。
ハノイであれば栄光ゼミナールや早稲田進学ゼミナール、ホーチミンであれば早稲田アカデミーやone塾、そろばん教室などもあります。
また日系の英会話教室やサッカー教室、ダンス教室などの習い事もあり、多くのお子様が通っています。
インターナショナルスクールもアメリカ系、イギリス系それぞれありますが、学費は日本のインターナショナルスクールより高いため、会社からの補助があると行かせるという方も多いです。
⑥治安
ハノイ・ホーチミン共に基本的な治安は良いほうであり、①ぼったくり②ひったくりに気を付けていれば重大な犯罪に遭うことは少ないでしょう。
筆者がハノイからホーチミンに引っ越してくる際には、ベトナム人からも現地在住の日本人からもホーチミンはひったくりやぼったくりが多いから気を付けるようにとアドバイスをもらいました。
空港からのタクシーでのぼったくり被害、お財布を見せると中の紙幣を抜き取られる、路上で携帯電話を使用していたらバイクに乗った人にひったくられる、などがベトナムで耳にする被害です。
しかし、在住者で被害に遭ったという方はほとんど聞いたことがありません。多くは、ベトナムへ観光へ来ている方や、ベトナム滞在日数の浅い方です。
上記のような被害があるということを知り、注意を払っていれば犯罪に遭うことは多くないと言えるでしょう。
筆者は女性一人で深夜まで飲み会などで外出していることもありますが、自宅までタクシーで帰宅するためむしろ安全度は高いと感じています。
生活は日本に住んでいた際と変わらない生活をしていますが、鞄をむやみに置いてトイレへ立たないなどの予防策は講じています。
⑦雰囲気
ホーチミンとハノイでは街の雰囲気は大きく異なります。
ハノイはまだあまり高層マンションは多くなく、ノスタルジックな懐かしい雰囲気を感じることができます。
一方で、ホーチミンは高層マンションなどの高い建物が多く、中心地はフランス建築なども多くあり都会的な雰囲気があります。
街並みの雰囲気だけは好みがありますので、懐かしい古きよきベトナムの雰囲気を味わいたい方はハノイ、都会的なモダンな雰囲気を好む方はホーチミンをお勧めします。
筆者はどちらも大好きで、甲乙つけることができません…。
まとめ
6つのカテゴリーに分けて、ホーチミンとハノイを徹底比較してみましたが、いかがでしたか?
気候面ではホーチミンが人気ですが、家賃などの物価はハノイの方が安く、ローカルフードもハノイに軍配があがります。
一方で、日本食などを重要視される方や便利で都会的な暮らしを好む方はホーチミンが住みやすいと思われます。
大きく雰囲気が異なるハノイとホーチミン、決める前にまずどちらも旅行に行ってみるというのもありかもしれませんね◎
ベトナムでの生活のイメージがつき、期待する移住となることを願っております。