これからベトナムへ駐在される方や、すでに駐在員として活躍をしている皆さんはご存知でしょうか?現在ベトナムの銀行金利がすごいことになっているんです!
バブル崩壊後、景気回復のために余儀なくされた日本の低金利。経済が回復の兆しを見せ、長きに渡り継続し、今や無いも同然を受け入れるしかなくなり、預金で資産を増やすことは実質、不可能になりました。
しかし、ベトナムでは昨年から、銀行の定期預金の金利が上昇しています。昨年5月ごろには、ある民間銀行が年7%を超える金利を設定したことがニュースとなりましたが、年をまたいだ今では10%近くに設定している銀行もあります。0%台が当たり前の日本からすると、驚くほど高い水準に設定されていて、日本の約7000倍近い金利にもなります。
筆者も金利の高いベトナムで働いている以上、運用金利で贅沢をする生活に憧れる1人なので、ベトナムがなぜ、高金利なのかを紐解いていきます。
駐在員なら知っておきたい!超高金利大国ベトナムの事情
世界でもトップクラスに定期預金の金利が高いベトナム、なぜベトナムベトナムの銀行金利が高いか、というと理由は、いくつかあります。
1つの理由として、ベトナムの経済が比較的成長が速いことが挙げられます。実質経済成長率を日本とベトナムで比較をしてみると、2023年においては前年対比でベトナムが5.05%、日本が1.9%と約3倍以上の開きがあります。
経済成長が速いと、インフレも高まる傾向があります。またインフレを抑制するために、中央銀行は金利を引き上げることがあります。
もう1つの理由は、ベトナムの通貨ドンが米ドルに対して比較的安定していることが挙げられます。通貨が安定していると、投資家はベトナムへの投資意欲が高まり、資金が流入します。資金が流入すると、通貨の価値が上昇し、インフレが進む可能性があります。これも、中央銀行が金利を引き上げる要因となります。
最後に、ベトナムの金融システムが比較的未発達であることも、銀行金利が高い一因となっています。金融システムが未発達だと、金融機関がリスクを回避するために、金利を引き上げる傾向があります。
これらの要因により、ベトナムの銀行金利は比較的高水準で推移しています。ベトナムの銀行金利が今後どのように推移するかは、ベトナム経済の成長、インフレ、通貨の安定、金融システムの発達など、様々な要因に左右されます。
2023年5月現在、ベトナムで定期預金の金利が高い5つの銀行は以下の通りです。
- ベトナム外貨貿易銀行(Vietcombank):最高金利は7.2%
- ベトナム投資開発銀行(BIDV):最高金利は6.5%
- ベトナム農業農村開発銀行(Agribank):最高金利は6.0%
- ベトナム工業貿易銀行(VietinBank):最高金利は6.0%
- サイゴンハノイ商業銀行(SHB):最高金利は5.5%
ただし、金利は変動するため、最新の金利は各銀行のウェブサイトで確認することをお勧めします。
そもそも銀行金利って何?
銀行金利とは、銀行が預金者に支払う利息のことです。金利は通常、年率で表示され、パーセント(%)で表されます。たとえば、銀行が1年間で5%の金利を提供している場合、預金者は100ドルごとに5ドルの利息を受け取ります。
銀行金利は、銀行が貸し出すお金のコストである貸出金利によって決定されます。貸出金利が低いほど、銀行が預金者に支払う利息は少なくなります。これは、銀行が預金者に支払うよりも低い金利でお金を貸すことができるためです。
また、銀行金利は、インフレ率によっても影響を受ける可能性があります。インフレ率が高い場合、銀行はインフレに追いつくために預金者に高い利息を支払う必要があります。これは、インフレによりお金の価値が時間の経過とともに低下するためです。
経済全体だけでなく、銀行金利が、個人のお金に影響を与える場合もあります。それが夢の金利生活です。銀行金利が高いほど、貯金したお金から得られる利息は多くなります。銀行金利が低いほど、借金にかかる利息は少なくなります。なので高金利かつ物価の安いベトナムなら金利のみでの生活も貯蓄のある方は可能かもしれません。
銀行金利を賢く利用することで、お金を貯め、投資するチャンスが増え、人生を豊かにすることができますが、銀行金利は定期的に変更されるため、ニュースやホームページなども注意することが重要です。銀行金利は複雑なトピックですが、人生とは切り離せない重要な要素です。
駐在中に少しリッチな生活を!ベトナムなら金利で設けたお金でこんな事ができる
ベトナムは日本と比較しても物価が安く、3分の1程度と言われています。仮に100,000円を金利10%で預けた場合、税金などを無視すれば10,000円を手に入れることができます。
駐在員として10,000円で実際にどんな生活ができるのかは、下記の一覧をごらんください。
※ここでは分かりやすく日本円で紹介していますが、実際の銀行への預け入れや支払いはベトナムドンで行います。
- ホーチミンとハノイの片道航空券(東京-韓国間の距離に相当):約8,800円
- 60分の指圧マッサージ:約2,450円
- スターバックスのコーヒー(トールサイズ):約480円
- ローカル屋台でのランチ:約300円
- ペットボトルのお水:約60円
日本であれば10,000円では、できることが限られますがベトナムであればマッサージやおしゃれカフェでのティータイムなど様々なことが可能です。物価が安く、贅沢な暮らしができるのもベトナムが駐在先として人気の理由の一つです。
また参考までに実体験ベースで解説をすると、単身の方であれば家賃を抜いて50,000円程度があれば1ヶ月の生活ができるほどベトナムの物価は格安です。
なぜ日本の金利はこんなに低いの?
理由は、日本経済が緩やかな景気回復にとどまっていることです。景気が緩やかだと、企業は投資や雇用を増やす意欲が低くなり、金利も低下する傾向があります。
もう1つの理由は、日本銀行が積極的に金利を低下させていることです。日本銀行は、2013年からマイナス金利政策を実施しており、これにより市場金利も低下しています。
マイナス金利に関しては、2024年1月以降から株価上昇や物価高を背景に徐々に見直しの機運が高まってきています。近い将来、大きな政策の転換が見られるかもしれないなめ経済に関するニュースには広くアンテナを張っておきましょう。
最後に、円が安全資産と見なされていることも、日本の銀行金利が低い一因となっています。円が安全資産と見なされると、円への需要が高まり、円安が進みます。円安は輸入品の価格を下げ、企業の収益を押し上げ、金利を低下させる可能性があります。
これらの要因により、日本の銀行金利は低水準で推移しています。日本の銀行金利が今後どのように推移するかは、日本経済の成長や日本銀行の金融政策動向など、様々な要因に左右されます。
マイナス金利とは、、、
金融機関が中央銀行に預ける預金に対してマイナスの金利を課す政策です。
通常、預金者はお金を預ける代わりに利息を受け取りますが、マイナス金利政策では、預金者が逆に利息を支払わなければならなくなります。
マイナス金利政策は、デフレを脱却するために導入されることが多いです。デフレとは、物価が下落する状態のことで、経済活動を停滞させる可能性があります。マイナス金利政策は、金融機関がお金を出し渋るのを防ぎ、企業や個人の消費や投資を促進することで、デフレを脱却する効果が期待されています。
ただし、マイナス金利政策には、以下のようなデメリットもあります。
- 金融機関の収益が減少する
- 預金者が預金を解約するリスクが高まる
- 企業が設備投資を控えるリスクが高まる
- 円安が進むリスクが高まる
それでも意外と少ない定期預金の外国人利用者
筆者も知り合いの駐在員たちとの会話で、毎回のように金利が話題にあがります。興味をそそられるのは皆一緒ですが、実際に定期預金をしている人はそれほど多くありません。なぜか聞くと大半は、いつまで駐在しているのか分からない、口座開設手続きが面倒そう、日本帰国後の海外送金にかかる手数料などが腰を重くしているようでした。
先陣を切り、1年前から手元にある、こつこつ貯めた少しばかりの預金で定期預金を始めてみました。結果から言うと提示通りの金利が貰えています。
銀行により千差万別ですが、銀行口座開設はビザ、パスポート、TRCさえあれば意外と簡単に出来るので、まずは銀行口座開設。その後、外国人は窓口での定期口座の開設がおすすめです。
筆者がいくつか試したところ、簡単にインターネットバンキングから定期預金口座を開設できたのはTechcombankのみでした。
日本では1年超えの3年固定、5年固定、10年固定などスーパーロング定期が多いですが、ベトナムでは銀行は1カ月、3カ月、6ヵ月、9カ月などの短期間の定期預金もあります。期間により貰える金利の金額は変わりますが、気軽に始めることができますね。
外国人がベトナムで口座を開設するためには、ビザや労働許可証(TRC)など、生活や就労の実態が必要なため、人生の中でチャンスはそこまで多くありません。
手続きもそこまで難しくないため、せっかくのチャンスを有効に活用して資産を増やしていきましょう。
駐在終了!現金の国外持ち出しには要注意
日本と比較くして金利が高く、お金を増やすには絶好の環境のベトナム。ただし、いざ日本へ帰国するときには注意が必要です。ベトナムでは外貨の持出規制が厳しく、1回の出国時に携帯できる所持金は以下のように定められています。
在留邦人の方で,ベトナム国内の銀行から引き出した外貨のうち,5,000米ドルを超える額をベトナム国外に持ち出す場合,当該銀行から許可証の発給を受け,それを携行する必要があります。
つまり、個人で自由に持ち出しができる金額は5,000米ドル(約752,000円)までとなります。許可書を取得せずに、5,000米ドルを超える金額を持ち出した場合、空港などで没収の対象です。過去に、スーツケースなどに現金を入れ無許可で国外へ持ち出そうとした方が捕まるケースも有りましたので、トラブルに巻き込まれないようにご注意ください。
金利のおかげで増えたお金は、銀行に依頼を行い国際送金で日本へ持ち帰るのがおすすめ。実態に筆者も、国際送金を経験した人の一人です。
送金の手続きには会社からの給与支払証明書など、必要な書類が多岐にわたり手続きは半日ほどかかりました。確かに言われている通り、手間はかかりますが最終的には2日ほどで日本の口座へ着金の確認ができました。
また海外送金に関して言葉に不安のある方は、一部の銀行では日本語ができる職員がベトナムでは働いています。事前に予約をすると対応いただけるため、うまく活用して手続きを進めていきましょう。
まとめ
高金利とはいえ他の投資に比べれば定期預金の利回りは、通常、他の種類の投資よりも低く感じるでしょう。これは、定期預金は比較的安全な投資であるため、投資家は高いリターンを要求していないからだと言えます。
日本の定期預金は預金保険制度によって元本が保証されています。それですら保証されているのは最高1,000万円までです。つまり、1,000万円を超える金額を定期預金に預けている場合、1,000万円を超える金額は保証されません。
今回、紹介したのは成長著しいベトナムの銀行です。可能性は低いですが、将来銀行が破綻する、急に金利が変更されるなどのトラブルはあるかもしれません。余剰金の範疇、なおかつすぐに使わないお金で行いましょう。どうせ貯金するし程度に考えておくと、お得に感じ長続きするかもしれませんね。