生活必需品は何でも揃うベトナムですが、住んでいると「急遽、日本からの郵便を受け取りたい」ということがありますよね。また、ベトナムで活躍する家族や友人に「日本からベトナムに何か差し入れを送りたい」と思われる方も多いと思います。
今回は、日本⇒ベトナムの「郵便・荷物の送り方/受け取り方」について在住者の体験も交えながら分かりやすく解説していきます。
ベトナムへの輸送手段は?
ベトナムへ荷物や郵便を送りたい場合、日本の郵便局に持ち込んで「EMS」を利用するのが一般的です。この他にも「佐川急便」や「DHL」「Fedex」「海外配送代行サービス」などの様々な民間サービスを利用する選択肢があります。
輸送方法は航空便や船便などがあり、手段によって届くまでの日数も変わります。
「郵便物が届かない」などのトラブルを避けるため「追跡サービス」や「保障サービス」があるものがおすすめです。
ベトナムへEMSでの荷物の送り方
①ベトナムに送れるものか確認する
EMSでは法律・条約などにより配送を取り扱いできないものがあります。「スプレー缶」「マニキュア」「モバイルバッテリー」等の「航空危険物」や「24%以上のアルコール製品」等が全世界共通で配送禁止品となっています。
全世界共通禁止品と合わせて、ベトナムならではの禁止品が含まれていないか確認する必要があります。
貴重品や野菜などの生ものはもちろん送ることはできませんが、特にうっかり見逃しがちなのは「中古品」や「乾物」です。これらの禁止品が含まれる荷物はEMSで送ることができないので注意しましょう。
②送り方を選択する
東京からベトナムへのEMSは最短3日で届けることができます。
EMSの料金は重量によって細かく設定されていますのでホームページや窓口で確認しておきましょう。
日本郵便では「EMS」以外にも「航空便」「船便」を選択することができます。時間に余裕がある場合にはEMS以外の手段だとより料金を安く抑えられます。
③送り状等の必要書類を用意する
ベトナムを含め海外へものを送る際には、税関検査のための書類が必要です。
送り状(依頼主や届け先の情報、内容名や個数などの必要情報書類)
税関告知書(関税に対しての郵便物の内容品等を申告する書類)
インボイス(税関での申告や検査の際に必要となる書類)
送り状・インボイスの作り方は?
2024年3月1日から送り状・インボイス等の書類は手書きではなく、日本郵便の「国際郵便マイページサービス」で作成する必要があります。「国際郵便マイページサービス」でラベルを作成すると、自動で必要枚数のインボイスが出力されます。
パソコンやスマートフォンから会員登録・ログインをして手続きを進めていきます。利用方法の解説動画もありますので、手続きが初めてでも安心です。
ベトナムの住所の書き方は?
日本とは逆の順番で「部屋番号→建物名→番地→通り名→市…」のように書きます。
ですが、先述した「国際郵便マイページサービス」で送り状を作成するため、指定された通りに記入していけば迷うことはありません。
「国際郵便マイページサービス」では、以前は記入漏れしがちだった届け先の電話番号入力欄もしっかりあり、配達も安心です。
ベトナムの荷物受け取りは電話番号必須?
ベトナムで荷物や郵便を受け取る場合、必ず配達員から「今から配送します」と電話があります。電話に出ないと配送されず、集積所保管になってしまったり最悪の場合紛失してしまったりするということもあります。
「配送員がベトナムの電話番号しか電話をかけてくれない」ということもありますので、大家さんやホテル等の電話番号を記入する在住者もいます。事前にどこの電話番号を設定するか確認しましょう。
内容物や品名は具体的に!
荷物の内容は英語で具体的に記入する必要があります。
(例)
アイシャドウを送る場合× cosmetics→〇 eye shadow
インスタント麵を送る場合× foods→〇 instant noodle
内容品の記載に悩んだ際は、日本郵便のホームページに内容品の英訳を検索できるページがありますので参考にされてみてくださいね。
④梱包する
日本国内の輸送とは異なり、思いがけない水濡れや衝撃などによって荷物が傷んでしまうことも考えられます。
荷物はビニール袋に包む、緩衝材を多めに入れる、厚手の段ボールで梱包する等の対策をすると安心です。
⑤発送する
近くの郵便局に持ち込むか集荷を依頼して発送します。
EMSの発送伝票には「お問い合わせ番号(追跡番号)」が記載されていますので、荷物が届いたことが確認できるまでは捨てずに保管しておきましょう。
EMSがベトナムに届かない時は?
ここからは「EMSが届かない!」そんな時に、考えられる原因や状況を解説していきます。
EMS追跡サービスを利用する
EMSには追跡サービスがありますので、まずは日本郵便の個別番号検索ページをチェックしましょう。荷物がいまどこにいるのか、通関したのか等をウェブページで確認することができます。
ベトナムの関税を通過した後はVN PostのEMSトラッキングページで荷物のステータスを確認することができます。VN PostのEMSトラッキングページでは、係員にチャットで問い合わせることもでき、とても便利です。
関税の支払いをする
ベトナムでは個人輸入であっても関税がかかります。(1.000.000VND以上の物品)
基本的に関税は配送員に直接現金で支払いますが、関税額が高額だと思われる場合、荷物が届く前に届け先に関税の支払い通知が文書で届くことがあります。
在住者の体験談
海外配送代行サービスを経由してお米14㎏を日本の家族から送ってもらい「関税総額1,666,000VNDがかかるので文書の発送日から12日以内に通関手続きをしなければ物品を処分します」という関税に関する文書が届きました。
こちらの文書には、税関手続きのための電話番号・メールアドレスが記載されており、ベトナム人の知人に電話をしてもらい、自宅に再配送依頼し配送員に関税を支払いました。
禁止品や検疫品が含まれている
輸入禁止品が荷物に含まれていると見なされると、通関手続きか止まり罰金が科せられることがあります。また、検疫が必要な品物が含まれている場合も通関手続きが止まります。
個人の使用範囲を超えた量
日用品など長期間保存できるものは、つい大量に日本から取り寄せたくなりますが「個人の使用の範囲を超えた量」と判断された場合には、追徴金を支払うことになったということもあるようです。
在住者の体験談
石鹼やシェービングフォーム、味噌を半年程度で使い切れる量(各6個程)輸入し問題なく受け取ることができました。
※品物によって差があることも考えられますので、あくまでも目安としてご参考ください。
近くの郵便局に保管されている
配送員からの電話を受け取れなかった際には、郵便局に保管されている場合があります。VN PostのEMSトラッキングページで「保管」のステータスになっている場合は「問い合わせ番号(追跡番号)」と「身分証明書」を持参して保管されている郵便局に受け取りに行くか、チャットページで再送を依頼しましょう。
ベトナムの関税はいくらかかかる?
ベトナムでは1.000.000VND(≒6000円程度)以下の品物であれば、関税はかかりません。在住者の中には「小分けにして送る」と関税対策をされている方もいます。送料や品物の金額に合わせて送り方を考えると良いですね。
関税率は、価格・品目・原産地・税の種類によって計算されるため一律ではありません。
荷物は開封され、税関職員の検査を受けることになっており、これらの検査により関税が課せられます。
在住者の体験談
日本から「健康ドリンク」と「石鹼」38,000円分を輸入し、価格のおよそ20%程度の1.400.000VNDの関税が科せられました。
日本で発送手続きができる人がいない時は?
日本で発送手続きできる人がいない場合は「海外配送代行サービス」を利用すると便利です。通販サイトから直接「海外配送代行サービス」に送り、その後「海外配送代行サービス」が発送手続きなど全て代行してくれます。
サービス会社によっては荷物を一定期間預かってくれるため「まとめて荷物を送りたい」という時にも便利な点もあります。
まとめ
今回は、日本からベトナムへの荷物・郵便の送り方/受け取り方を解説しました。ベトナムへの荷物や郵便物は「EMS」が早く・確実で便利です。
送り状の作成も「国際郵便マイページサービス」がスタートし、より一層便利になっています。
在住者の経験では、日本から送ってもらったお米はベトナムの関税が高額になってしまいました。ベトナムにも日本産のお米やベトナム産の日本米も売っていますので、日本から個人で輸入するよりもベトナムでの購入がおすすめです。この記事が参考になりましたら幸いです。