ベトナムでもシェアサイクルが新たな交通手段として浸透してきているのをご存知ですか?
この新しい移動手段は、ホーチミン市やハノイ市を中心にどんどん広がり、観光客や地元の人々に人気を集めつつあります。
自転車を借りて気軽に街中を巡ることができるシェアサイクルは、環境にも優しく、渋滞を減らすのにも役立っています。
今回は「ベトナムのシェアサイクルについて」「ベトナムで自転車に乗る時の注意点」などについて詳しく解説します!
「実際に乗ってみた感想」もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
ベトナムのシェアサイクルとは?
ベトナムのシェアサイクル事業は「TNGo(ティーエヌゴー)」として、2021年12月からホーチミン市運輸局が民間企業「Tri Nam Group」と共同で運営を始めました。2023年にはハノイ市内でのシェアサイクル事業がスタートしています。
現在ではハノイ市内に85箇所、ホーチミン市内に45箇所のポートがあり、この他にもダナン・クイニョン・ブンタウ・ハイフォンなど各地域を合わせると全国で287箇所のポートがあり、利用者数も、利用地域も次第に拡大しています。
なぜシェアサイクルが拡大しているの?
「ベトナムはバイクが多い」という印象を持つ方も多いでしょう。
実際に、ベトナムは世界有数のバイク国として知られ、バイク新車販売台数はインドネシアに次ぐ世界第4位となっています。
このためバイクによる交通渋滞や排気ガスによる環境汚染を緩和するため、シェアサイクル事業が積極的に取り入れられるようになり、バイクに代わる交通手段や観光客の移動手段として注目を集めています。
利用料金は?
アプリ上で、ポイントをチャージして利用する場合は、以下のような利用料金です。
60分 | 10.000 TNGoポイント(最低残高20.000TNGoポイントが必要) |
24時間 | 50.000 TNGoポイント(延長料金3.000TNGoポイント/15分) |
1ヶ月 | 79.000 TNGoポイント(延長料金3.000TNGoポイント/15分) |
※1TNGoポイント=1VNDです
どうやって利用するの?
シェアサイクルポートには、地図の表示がある場所もありますが詳しい説明が掲示されている場所は少ないです。
そこで、ここからは、実際にベトナムのシェアサイクル「TNGo」の利用方法について解説します!
在住者や使用頻度が高い人はアプリがおすすめ
(画像)TNGo公式サイトより引用
TNGoアプリは、自転車ポートの地図や自転車台数を確認できるなど便利です。
ベトナムの電話番号を持つ人
TNGoアプリをダウンロードできる人
以上の人は誰でも利用可能です。
日本の電話番号ではアプリを利用開始することはできませんでしたので、アプリを利用するためには、ベトナムのSIMカードを購入し電話番号を取得する必要があります。
利用者登録に提出する情報
- フルネーム
- 生年月日
- CCCD/パスポート/学生カード番号(有効なもの)
- 連絡先住所
- 電子メールアドレス
- TNGo アプリに登録されている電話番号
- 写真付き身分証明書/パスポートの表面、裏面、顔写真
TNGo公式サイトより引用
利用者登録には以上の情報を入力しますが、利用者登録をしていなくてもすぐに自転車をレンタルできます。
アプリでの利用手順
①iOS または Android オペレーティング システム用の TNGoアプリを携帯電話にダウンロードします。
TNGo
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②ベトナムの電話番号を使用して TNGoアカウントを登録します。
③「マイ ウォレット」機能を使用して、TNGoアプリのアカウントにサイクリング ポイントをロードします。TNGoは、 Momo、ZaloPay、ATM、Visa、Master、JCB バンク カードによるポイントのチャージをサポートしています。
④TNGoアプリを使用して自転車のロックの QR コードをスキャンすると、システムが自動的にロックを解除し、使用できるようになります。
⑤ 自転車を返却するには、どの自転車ステーションでも返却できます。自転車をステーションにきちんと駐車し、自転車を手動でロックし、TNGoアプリで返却確認を押して利用を終了します。
TNGo公式サイトより引用
プリペイドカードでも利用可
(画像)TNGo公式サイトより引用
ベトナムの電話番号を持っていない人や、旅行などで短期間の利用に限られる場合はプリペイドカードでの利用も可能です。
「60.000ポイント」と「120.000ポイント」分の2種類のプリペイドカードが販売されています。
プリペイドカードを購入できる場所が、ホーチミン・ブンタウ・ハイフォン・ダナンの一部地域のみになっており、ハノイ市内ではまだ利用できませんのでご注意ください。
プリペイドカードでの利用方法は?
プリペイドカードをカード発券事務所で購入します。プリペイドカードを利用し始める前に、カードにあるQRコードを読み取り、認証します。
自転車を利用する際は、自転車のQRコード部分にカードをかざすと、解錠され自転車の利用が始まります。
自転車を返却する場合は、ポート内で施錠した上で30秒以内に自転車のQRコードに再びカードをかざすと自転車が返却され、利用が終了します。
TNGo公式サイトより引用
プリペイドカードにチャージできる?
カードの金額をすべて使い切った場合はベトナムの銀行口座経由での入金または、コンビニでの現金チャージの2つの方法でチャージできます。
旅行者の場合は、コンビニでのチャージが主な手段になりますね。
使用済みのプリペイドカードは?
使用済みのカードを販売窓口に返却すると、プレゼントを受け取れるようです。
カードの再利用で環境を守る活動に参加することもできますね。
“カードが不要になった場合は、カードをカード販売所に返却して再利用し、環境保護活動に対してTNGoからささやかなプレゼントを受け取ることをお勧めします。”
TNGo公式サイトより引用
保険はある?
TNGoアプリ上で保険に加入することもできます。アプリを通して自転車を利用した場合のみ保険の対象となる条件になっています。
保険期間 | 保険料 |
最大2時間 | 1.000VND |
最大450分/日 | 6.000VND |
最大60時間/月 | 24.000VND |
“保険契約の有効期間は、被保険者が TNGoアプリケーションを通じて自転車のレンタルを開始し、TNGo 自転車ステーションで自転車を移動および返却した時点から、保険パッケージに指定された時間数までです。
保険金としては、「一時的な障害」には15.000.000VND「IDカード、キャッシュカードの紛失」には500.000VNDなどが付与されます。”
TNGo公式サイトより引用
自転車に乗るときの注意点は?
バイクが多い中での運転は少々勇気がいりますが、堂々と運転をしていれば車やバイクが自然とよけてくれます!
ここからは、ベトナムで自転車に乗る際の注意点について解説していきます。
歩道は走行禁止
日本では、自転車が歩道を走行することもありますが、ベトナムでは自転車もバイクと同様道路を走行するようになっています。
歩道を走行すると注意されることもあるそうですので、注意しましょう。
ベトナムは右側通行
ベトナムでは自動車・バイク・自転車も右側通行です。道によっては一方通行の箇所もあるため、交通ルールに従って走行するようにしましょう。
また、急な方向転換は控え、方向を変える場合は手信号や目配せで他のドライバーに意思表示をしましょう。
駐輪したい時は?
ベトナムではバイクや自転車は、必ず管理されている駐輪スポットに駐輪します。飲食店などのお店には、駐輪場を管理している人がいますので駐輪することを伝え、預かってもらいましょう。
街中の場合は「Giữ xe」というのがいわゆる駐輪場です。駐車代は1.000~5.000VNDが一般的な料金となっています。駐輪場では、ヘルメットや雨具などが盗難にあうこともあるため、持ち物を前かごに放置しないように注意しましょう。
TNGoアプリでは、一時的に駐輪して自転車をロックすることもできるようになっています。
TNGoを実際に使ってみた
実際にブンタウで「TNGo」アプリをインストールしてレンタルし、ベトナム南部にあるブンタウの街中をサイクリングしてみました!
登録から利用までは簡単!
「TNGo」をインストールし、ベトナムの電話番号を入力して利用登録すると、ベトナムのメッセージアプリ「Zaro」または「ショートメッセージ」で認証番号が届きます。
今回は「Zaro」でのメッセージ受取りを選択し、送られてきた番号を入力しました。すると、すぐに入金や利用ができる状態になっており、先述したようなパスポートなどの身分証明の登録は求められず、利用者情報を登録せずにレンタルできました。
20.000VND入金で1台レンタルできる
1TNGoポイント=1VNDとなっており、自転車1台をレンタルするためには最初に20.000VND入金する必要があります。※電動自転車は40.000VNDの入金が必要と記載されています。
入金方法はクレジットカードや銀行カード、ATM、QRコード支払いなど選択肢が豊富でした。支払いをすると、すぐにTNGoポイントとして反映されます。
QRコードを読み取ってスタート
アプリ画面のQRコードマークから読み取り画面を起動して、自転車QRコードを読み取るとレンタルスタートです。
1つのアカウントで自転車を3台までレンタルすることができます。今回は最初に40.000VND入金し、アプリ画面の「Rent more」から同時に2台レンタルしました。
駐輪もできる
カフェやお店に入る際は、バイクと同じように駐輪場に駐車します。
一時的に鍵をかける際は、一般の自転車と同様にロックする部分を下げてロックします。再び鍵を開けるにはアプリ画面上の「Unlock」をタップすると、鍵が自動的に解錠します。
ブンタウで立ち寄ったお店はすべて駐輪場代は無料でした。また、駐輪場の警備員さんから「鍵を閉めなくてもいいよ」と言われるところが多く、安心してお店に入ることができました。
4時間で1台およそ300円
ブンタウで4時間自転車を2台レンタルして、利用料金は合計101.000VNDで、先述でご紹介したとおりの利用料金でした!
最初に入金していたのは40.000VNDでしたので追加で60.000VND入金し、ポートに駐輪した上でアプリ画面上の「Finish」をタップすると返却できました。
観光地の移動手段として有用
ブンタウはベトナムの都市部と比較するとバイクや車の交通量が圧倒的に少なく、ロードバイクやTNGoを利用している人がたくさんいました。
Grabタクシーは10分程度の乗車で30.000~40.000VNDかかりましたが、レンタルサイクルではベトナムの雰囲気や自然を感じながら、徒歩より早く・涼しく移動でき、アクティビティのように移動を楽しむことができました。
自転車ポート付近で休憩していたところサポートセンターから「返却しますか?」と英語で確認の電話が掛かってきたことから、サポート体制も充実していると感じました。
一方、プリペイドカードでも利用可能ですが、プリペイドカード販売事務所が市街地から遠いことや、アプリ上で自転車ポートの位置の確認を行う仕様になっていることからアプリでのレンタルが便利だと感じました。
まとめ
今回は、ベトナムでのシェアサイクル事情や利用方法、注意点について解説しました。
ホーチミン市内で自転車の数は体感としては、日本ほど多くないですが中心区では若者や観光客がシェアサイクルを利用している姿を見かけます。
また、ハノイでは湖の周辺をサイクリングすることが最近のトレンドだそうですよ!
新たな交通手段として注目のシェアサイクルをぜひ利用してみてくださいね。
▼ベトナムでバイクを利用したい方はこちらの記事をご覧ください