ベトナムは、料理や観光だけでなく、伝統工芸品でも旅行者を魅了する国です。
その中でも注目を集めているのが、バッチャン焼きやソンベ焼きといった陶磁器。
これらの器は、ベトナムの文化や歴史を映し出し、食卓やインテリアに彩りを加えるアイテムとして人気があります。
本記事では、これらの器の魅力や特徴、購入方法、そして持ち帰る際の注意点について詳しくご紹介します。
ぜひ最後までお楽しみください!
ベトナムの伝統的な器とは
ベトナムの伝統的な器には、職人たちの長い歴史と豊かな文化が詰まっています。
バッチャン焼きやソンベ焼き、ソンチャン焼き、螺鈿細工のお皿など、どれも独自の魅力を持つこれらの器は、食卓を彩るだけでなく、ベトナムの生活や芸術の一端を感じさせてくれる存在です。
ここからは、それぞれの特徴や魅力、使用方法についてご紹介します。
ベトナム旅行や伝統工芸品に興味がある方は必見です!
バッチャン焼き
バッチャン焼きは、ハノイ郊外にあるバッチャン村が発祥の伝統的な陶磁器です。
この村では、14世紀頃から陶器作りが始まり、今でも職人たちがその技を受け継いでいます。
実際にバッチャン村を訪れると、小さな工房が軒を連ね、そこで器を丁寧に作る職人の姿を見られます。
観光客向けに陶器の絵付け体験ができる場所もあり、自分だけのバッチャン焼きを作れます。
歴史ある街並みの中で、こうした伝統工芸に触れるのは特別な体験です。
バッチャン焼きの特徴
バッチャン焼きの魅力は、なんといってもそのデザインです。
クラシックなデザインは、白い陶器に青い模様が描かれたもの。
蓮の花や鯉、竹林といった自然をモチーフにした柄が多く、どこかほっとする優しい雰囲気を感じます。
最近では、赤や緑、黄色など鮮やかな色を使った現代的なデザインも増えています。
さらに特筆すべきは、その「一点物」感。
すべて手作業で作られているので、同じシリーズでも微妙に異なる仕上がりです。
器の表面には光沢のある釉薬が施されており、しっとりとした質感が高級感を演出します。
バッチャン焼きの使用方法
「こんなにきれいな器、使うのがもったいない…」なんて思うかもしれませんが、実はバッチャン焼きは日常使いにもぴったりです。
お皿やお椀、茶碗など、どんな料理とも相性抜群。
特にフォーや生春巻きといったベトナム料理を盛り付けると、その美しさが一層引き立ちます。
また、インテリアとして使うのも素敵です。
例えば、小さな花瓶にお花を飾ったり、飾り皿を壁にかけたりすることで部屋が一気に温かみのある空間に変わります。
旅行のお土産として購入し、自宅で日々の生活に取り入れるのもおすすめです。
ソンベ焼き
ベトナム南部、ホーチミン市近郊に位置するビンズン省(旧ソンベ省)。
この地で作られる「ソンベ焼き」は、素朴で温かみのある陶磁器です。
ここからは、ソンベ焼きの魅力と活用方法についてお話しします。
ソンベ焼きの特徴
ソンベ焼きの一番の特徴は、そのシンプルさと素朴なデザインです。
地元のサイゴン川沿いで採れる粘土を使い、伝統的な手法で丁寧に作られる器は、どこか懐かしさを感じさせます。
その手触りもまた魅力のひとつ。
釉薬を控えめに使用するため、ざらっとした質感があり、どこか手仕事の温もりを感じさせます。
現代の大量生産品では味わえない「一点物」の風合いが、ソンベ焼きならではの魅力です。
ソンベ焼きの使用方法
ソンベ焼きは、見た目の素朴さだけでなく、その実用性の高さも評価されています。
お皿やボウル、マグカップといった日用品として作られており、どんな料理ともよく合います。
特に、素朴なデザインは家庭料理との相性が抜群。
例えば、温かいスープをボウルに注いだり、サラダやお惣菜を盛り付けると、料理がさらに引き立ちます。
また、ソンベ焼きもインテリアとしても活躍します。
小さな花瓶に季節の花を飾ったり、アンティークの器を飾り棚に並べたりすることで、部屋全体に温かみのある雰囲気を演出できます。
贈り物としても喜ばれやすく、特に手作りのぬくもりが好きな方にはぴったりのアイテムです。
ソンチャン焼き
「ソンチャン焼き」という名前を聞いたことがありますか?
これは、ベトナムの伝統的な陶磁器デザインを現代的な技術で蘇らせた新しい工芸品です。
伝統と現代が見事に融合したその魅力を見ていきましょう。
ソンチャン焼きの特徴
ソンチャン焼きは、かつてベトナム南部で親しまれていたソンベ焼きのデザインを基にしています。
蓮の花や幾何学模様といったヴィンテージ感漂う絵柄が特徴で、その素朴さと華やかさのバランスが絶妙です。
この伝統的なデザインに、北部のバッチャン村の陶器製法が取り入れられています。
1300℃以上の高温で焼き上げられることで、器は耐久性に優れ、電子レンジや食洗機でも使えるほど実用的。
美しさと機能性を兼ね備えた器は、現代のライフスタイルにぴったりです。
また、すべてが手作業で作られるため、一点一点に個性があり、温かみを感じられるのも魅力のひとつです。
ソンチャン焼きの使用方法
ソンチャン焼きは、使う人の生活に寄り添う器です。
食卓では、お皿やボウル、マグカップなど、さまざまな形状のアイテムが料理を引き立てます。
和食にも洋食にもマッチするので、主菜からスープ、デザートまで幅広く使えます。
例えば、朝食のパンを盛り付けたり、ほっこりとした家庭料理を盛ると、料理が一段と美味しく見えますよ。
また、ソンチャン焼きもインテリアとしても楽しめます。
壁に飾ったり、棚に並べたりするだけで、部屋にちょっとしたエキゾチックな雰囲気をプラス。
特に、ヴィンテージ感あふれるデザインは、ナチュラルな空間や北欧スタイルのインテリアにもよく馴染みます。
螺鈿細工の器
ベトナムを旅していると、市場やお土産ショップで必ず目にするのが、螺鈿細工の器。
この器の魅力は、ベトナムの自然と職人技が詰まっています。
土台に使われているのはグオットという熱帯雨林に自生する植物の繊維。
しなやかで弾力があり、とても丈夫な素材です。
市場では、大きなトレイから小ぶりな皿まで、さまざまなサイズやデザインが並んでいます。
どれも手作りならではの個性があり、一つひとつ表情が違うのも魅力的。
お菓子を載せたり、果物を盛り付けたり、アクセサリーを置いて飾ったりするのにもぴったりで、使うシーンを想像しながら選ぶのを楽しめます。
何よりうれしいのが、そのお手頃な価格。
高級感あふれる見た目とは裏腹に、1000円〜2000円程度です。
だからといって品質が悪いわけではなく、むしろ長持ちする丈夫さがあるので、旅行中のちょっとしたお土産におすすめです。
特産の器の購入方法
ベトナムの特産器は、料理を引き立てる食器としてだけでなく、インテリアや贈り物としても人気の高い工芸品です。
器一つひとつに職人の思いや伝統が込められているので、どこで購入するかによって、その魅力の楽しみ方も変わります。
ここでは、現地の市場、陶器ショップ、そしてオンラインショップという3つの購入方法をご紹介します。
それぞれのメリットや楽しみ方を知り、自分に合った方法でお気に入りの器を見つけてみましょう。
市場で購入する
ベトナムの市場は、地元の生活を肌で感じられる場所です。
観光客にも人気のドンスアン市場(ハノイ)やベンタイン市場(ホーチミン)には、多種多様な陶磁器が並んでいます。
小さなお皿やマグカップ、飾り皿など、日常使いのアイテムからちょっとしたインテリア雑貨まで選択肢は豊富。
市場の楽しさは、商品を直接手に取って選べることと、価格交渉ができることにあります。
例えば、「少し安くしてほしい」とお願いするのも市場ならではの醍醐味です。
ただし、価格交渉にはベトナム語が必要です。
掘り出し物を見つけるには、自分の直感を信じながら時間をかけてじっくり選ぶのがおすすめします。
陶器ショップで購入する
「もう少し落ち着いた環境で、確かな品質の器を選びたい」という方には、陶器の専門ショップが最適です。
特に、ハノイ近郊のバッチャン村は必訪スポット。
バッチャン焼きの産地として有名なこの村には、多くの工房やショップがあり、職人が器を作る工程を間近で見られます。
バッチャン村のショップでは、器のデザインや用途ごとに商品が並んでおり、好みに合わせてじっくり選べます。
また、絵付け体験ができる施設もあり、自分だけのオリジナル器を作る体験も楽しめるでしょう。
バッチャン焼きはその美しい模様や高い耐久性で知られ、食卓での日常使いにもぴったり。
プレゼントにも喜ばれる逸品です。
オンラインショップで購入する
日本国内でも、アジア各国の美しい器を取り扱うショップがあります。
ここからは、特におすすめのオンラインショップや実店舗をご紹介します。
それぞれに個性があり、買い物の楽しさもひとしおです。
みんげい おくむら
「みんげい おくむら」は、日本と世界の民芸品や手仕事の生活道具を取り扱うオンラインショップです。
このショップでは、ベトナムのバッチャン焼きやタイのセラドン焼き、中国や台湾の陶器など、アジア各地から厳選された器が揃っています。
どの商品も職人の技術が光るもので、日々の暮らしを特別なものにしてくれるような温かみがあります。
公式サイト:https://www.mingei-okumura.com/
サラヤシキ
「サラヤシキ」は、アジアの器や雑貨を専門に扱うオンラインショップです。
特に、ベトナムのバッチャン焼きやソンベ焼きなど、アジアの伝統陶器に力を入れています。
鮮やかな色使いや独特のデザインが特徴の器が多く揃い、家庭料理を華やかに演出してくれます。
また、キッチンウェアやインテリア小物なども取り扱っており、食卓からリビングまでトータルでコーディネートする楽しさがあります。
公式サイト:https://sarayashiki.com/
器を日本へ持ち帰る時の注意点
旅先で出会った美しい器を購入するとき、「割れやすい陶器は運搬中に傷つくことが心配」と思うことは少なくないでしょう。
ここからは、器を安全に日本まで持ち帰るための注意点を詳しくご紹介します。
少し工夫するだけで、大切な器を無事に持ち帰れますよ。
割れないようにスーツケースに入れる
器をスーツケースに入れる際、いかにしっかり梱包するかが大切です。
まず、器を新聞紙やエアクッションで包み、衝撃から保護しましょう。
特に縁や底などの部分は割れやすいので、重点的に巻きつけます。
次に、スーツケースの中で器が動かないように固定することがポイントです。
洋服やタオルをクッションとして活用し、器の周りをしっかりと埋めます。
特に器同士がぶつからないよう、一つずつ丁寧に梱包しましょう。
さらに、スーツケースの中心部に配置することで、外部からの衝撃を和らげられます。
もしスペースに余裕があるなら、小さな箱やギフト用のケースに入れてからスーツケースに収納すると、より安全です。
割れ物注意のシールを貼ってもらう
スーツケースを飛行機で預ける場合は、航空会社のカウンターで「割れ物注意」のシールを貼ってもらうことを忘れないでおきましょう。
カウンターで係員にその旨を伝えれば、荷物を取り扱う際に注意が払われる可能性が高まります。
ちなみにベトナムの空港にも割れ物注意のシールはあります。
ただし、割れ物注意のシールを貼ってもらった後でも、荷物を慎重に扱ってもらえるとは限りません。
そのため、前述の梱包をしっかり行うことが大前提です。
それでも心配な場合は、特に大切な器は手荷物として機内に持ち込むことを検討してください。
機内持ち込みの場合は、自分の手元で管理できるため、より安心です。
ベトナムのお土産には器がおすすめ
ベトナムの伝統的な陶磁器であるバッチャン焼き、ソンベ焼き、ソンチャン焼き、螺鈿細工のお皿は、それぞれに独自の魅力を持つ工芸品です。
食卓を彩るだけでなく、部屋に温かみを与えるインテリアとしても活用できます。
購入する際には、市場や陶器ショップ、信頼できるオンラインショップを活用し、お気に入りの一品を見つけてみてください。
また、日本に持ち帰る際は梱包や運搬方法に十分注意し、大切な器を安全に運ぶ工夫を忘れずに。
ベトナムの器を日常に取り入れて、アジアの魅力を感じるひとときを楽しんでください。