- ベトナム生活情報
- 2022.11.04
- ベトナムに転職するメリットは何でしょうか?
- 日本を出てまで、ベトナムで就職する得られる事はあるのだろうか?
- 他の国と比べた時の、ベトナム就職のメリットって何だろう?
こういった疑問に答えていきます。
この記事の信頼性
HRnaviは、2007年より15年間、「ベトナムで働きたい」と思われる日本人候補者の方へ、ベトナムでのお仕事を紹介して参りました。年々、ベトナムに興味を持たれる方も多く、最近では毎月100名以上の方々と面談を行い、キャリアアップのご支援をしております。
様々な経歴を持つ方々との面談の中で、共通して聞かれることの1つが、「ベトナムで働くメリットは何ですか?」というご質問です。
今回は、そんな候補者の方々が持つ疑問に対して、ベトナム、中国、シンガポールでの就労経験を持つ筆者が、他国との比較も交えながらお答えします。
この記事を読まれた後は、ベトナム就職のメリットについて理解を深め、「ご自身のベトナム就職の目的と得たいもの」を考えるきっかけになりますよ。
「一人で考えるよりも、経験者と話しながら考えたい!」という方は、HRnaviの経験豊富なコンサルタントに声を掛けてみて下さい。
前提1.ベトナム就職のメリットを知る前に、考えておきたい3つのこと
前提として、ベトナム就職のメリットを知る前に、考えておくと良い事があります。
これらは、HRnaviや筆者が、数多くの候補者様との面談から、実感していることです。
具体的には、以下の3つです。
- なぜ転職するの?
- なぜ海外就職するの?
- なぜベトナムを選ぶの?
上記3つが明確になっている方は、応募企業様からの評価も高く、内定に繋がりやすい傾向があります。
理由は、「どうしてベトナム就職をしたいのか」が明確になり、履歴書を書く時や面接時などに、ご自身の志望動機をはっきり伝えられるためです。具体的な内容は、別な記事で解説していきます。
これら3つを検討した後は、「ベトナムは自分に合うのか」を、より考えやすくなるかと思います。
前提2.「ベトナム就職のメリット」には2種類ある。
本題に入る前にお伝えしたいことは、「ベトナム就職」など、「国選びの時に考えるメリット」には、2種類ある、ということです。
- 努力次第で得られるメリット
- 行くだけで享受できるメリット
「努力次第で得られるメリット」は、環境として用意されているが、得られるかどうかは自分の行動次第、というメリットです。一方、「行くだけで享受できるメリット」は、渡航すれば多くの人が感じられるメリットです。
海外就職を考える時に、「メリット」という言葉は頻繁に使われる一方、発信する人と受け取る人、それぞれの状況次第で意味が変わる言葉でもあります。
よって、1つの選別方法として「このメリットは、努力次第で得られるのか、それとも行くだけで得られるのか」を考えると、自分に合うかどうかが、考えやすくなるでしょう。
いよいよ次の章から、ベトナム就職のメリットを解説していきます。
ベトナム現地在住の、HRnaviのコンサルタントや筆者の実感を踏まえ、厳選した8つの点をご紹介します。
1種類目「努力次第で得られる、ベトナム就職のメリット4つ」
「努力次第で得られる、ベトナム就職のメリット」は、以下の4つです。
- 未経験でも「裁量の大きな仕事」や、「幅広い業務」に挑戦できる可能性
- 完璧な英語を話せなくても、仕事で活躍し、生活できる
- 日本企業やコミュニティが多く、日本人のつながりを作りやすい
- 生活費を抑えやすく、貯金や投資にもチャレンジしやすい
順番に見ていきましょう。
未経験でも「裁量の大きな仕事」や、「幅広い業務」に挑戦できる可能性
1つ目は、「未経験でも『裁量の大きな仕事』や、『幅広い業務』に挑戦できる可能性が高いこと」です。
具体的な内容は、業種や職種によって変わりますが、概して「マネージャーなどの管理職」や「複数業務の兼任」です。
未経験でも、マネージャーや複数業務に挑戦できる理由は、以下のとおりです。
- 本社から派遣される、日本人駐在員の数は、最小限であるから。
- 本社や、現地法人長である、日本人の意図を汲み取って仕事ができるから。
- 現地化が進んでも、「日本人に任せた方が安心」な仕事があるから。
端的に言うと、ライバルが少なく、日本人の意図を理解した仕事ができるため、「責任の大きな仕事や複数業務担当を任せられやすい環境」ということです。
私の人材紹介会社時代の同僚は、新卒でコンサルタントとして採用をされた後、未経験ながら「会社ホームページのSEO対策」も兼務し、約2年でSEO対策を一人で出来るほどのスキルを身に付けていました。
日本であれば、SEO対策の経験を持っていない限り、兼務を任せてくれる会社は、そう多くは無いでしょう。
もちろん、仕事を任されるには、入社前の面接や入社後の査定で、高い評価を得ることが求められます。
会社からの信頼を得られれば、年齢に関係なく、責任の大きな仕事や複数業務を担えることは、ベトナムに就職する魅力の1つです。
完璧な英語を話せなくても、仕事で活躍し、生活できる
2つ目は、「完璧な英語を話せなくても、仕事で活躍し、生活できること」です。
ベトナムの日系企業の場合、社内の共通言語は、英語もしくは日本語のどちらかです。
ただ、例え英語が社内で使用されるとしても、ベトナム人にとっても、英語は外国語です。
よって、英語圏の国と比べると、話される文法や単語は単純で、こちらの話にも耳を傾けてくれようとしてくれる方が多いことは、ベトナム現地に住む多くの日本人が、実感することです。
また、仕事外でも、英語やベトナム語の、単語のつなぎ合わせでだけで、タクシーの乗車から買い物まで可能です。
これは、一度ベトナムに旅行に来られたことのある方なら、共感して頂けることかと思います。
もし中国であれば、一般的に、流暢な英語や中国語会話能力を求められるケースが多く、シンガポールであれば、基本的に英語力は必須となるなど、語学力がなければ応募もできない求人も多く存在します。
このように、ベトナム就職では、求められる語学力のハードルは低め、と言えるでしょう。
もちろん、高い英語力やベトナム語をお持ちであれば、選考で有利になることもあります。そして何より、現地での生活がより楽しめることは、間違い有りません。
よって、語学に興味がある方は、ベトナム渡航後に語学習得を目指しても良いでしょう。
日本企業やコミュニティが多く、日本人のつながりを作りやすい
3つ目は、「日本企業やコミュニティが多く、日本人のつながりを作りやすいこと」です。
日本から離れた場所で働き、住む人同士だと、仕事やコミュニティを通じて、様々な世代の日本人と仲良くなりやすいのです。
JETROの公表によると、日本企業数と在留邦人数は以下のとおりです。
- 日本企業数(日本商工会議所の会員数) 1,973社
- 在留邦人数 2万2,185人
これらの数は、東南アジアの全9カ国で比較すると、日本企業数は1位、在留邦人数もタイ、シンガポール、マレーシアに次ぐ第4位の数です。
その多くがハノイ、ホーチミン、ダナン、ハイフォンの4大都市に位置しており、日本人のコミュニティ活動も盛んです。
生まれた年やスポーツ、趣味などのカテゴリを中心としたサークルがあり、共通のつながりを持った様々な年代の方と繋がることができます。
ご興味のある方は、ハノイ在住日本人向けメディアのVETTER(ベッター)や、ベトナム生活・観光情報ナビで確認してみましょう。
日本では誰もが知る製造企業の現地社長や、複数の飲食店を経営する方など、個性的なバックグラウンドの方とも知り合えるチャンスがあることは、海外就職やベトナム就職の魅力と言えます。
生活費を抑えやすく、貯金と投資がしやすい
4つ目は、「生活費を抑えやすく、貯金がしやすいこと」です。
統計上でも実感でも、ベトナムの物価は年々上がっている事を感じますが、固定費の多くを占める食費や家賃は、努力をすれば日本よりも低く抑えることが出来ます。
例えば、家はワンルームタイプ、食事は自炊中心で済ませることで、ハノイやホーチミンでも、1ヶ月5万円以内に抑えることは十分可能です。よって、若手営業職の給与相場である15万円だと、10万円は自由に使うことができるのです。
日本で、10万円を貯めようと思うと、家賃や食費を、かなり切り詰めなければいけないでしょう。
他国の例として、シンガポールを挙げると、家賃相場が高く、日本人が抵抗なく住める住居だと、最低でも20万円はかかるでしょう。
また、食費は抑えたとしても5万円見込むとなれば、月給35万円以上の仕事に就いて初めて、10万円の可処分所得を確保できることになります。
よって、ベトナムでは生活費を抑えやすく、余ったお金を貯金や投資に回すことができます。
投資をお考えなら、基本的にはベトナム在住者限定の証券口座開設や、2015年から解禁となった外国人による不動産購入に挑戦することも、1つの手でしょう。
以上4つが、「努力次第で得られる、ベトナム就職のメリット」です。
次に、「行くだけで享受できる、ベトナム就職のメリット」を解説します。
2種類目「行くだけで享受できる、ベトナム就職のメリット」4つ
次に、「行くだけで享受できる、ベトナム就職のメリット」は、以下の4つです。
- 経済成長の勢いと刺激を受けられる
- 親日家や日本語話者が多いため、居心地の良さを感じやすい
- 比較的治安が良い
- 日本人の口に合うローカルフードが多く、日本食レストランも豊富
順番に解説していきます。
経済成長の勢いと刺激を受けられる
1つ目は、「経済成長の勢いと刺激を受けられる」点です。
2022年第3四半期の実質GDP成長率は、前年同月比13.67%と、新型コロナウイルスの影響を受けた前年を大き成長を見せています。
また、2009年から2020年までの、実質GDP成長率の推移を見ても、2020年の2.6%を除き、一貫して5%以上の成長を続けていることが見て取れます。
この成長ぶりは、統計上だけではなく、現地に居ると肌で感じることでもあります。
筆者がベトナムに住み始めた2013年と比較すると、タワーマンションや乗用車の数は、圧倒的に増えています。周囲の友人の間でも、以前は「どうやったら給与を上げられるか」という話題が中心だった一方、「どんなビジネスをするか」「どんな投資をするか」という話が増えた、と感じています。
街と人から「豊かになりたい」という強いエネルギーと上昇志向を感じられることは、ご自身が働く上で、大きな刺激になるでしょう。
親日家や日本語話者が多いため、居心地の良さを感じやすい
2つ目は、「親日家や日本語話者が多いため、居心地の良さを感じやすい」という点です。
ベトナム経済・ビジネス情報サイトVietBizによると、ベトナムに親日の方が多い理由は、日本企業や製品が多いだけではなく、歴史や政治など、6つの理由が背景にあると分析しています。
また、日本への留学生や日本語学習者の数も増え続けており、日本や日本語に興味を持つベトナム人が増えていることは、統計にも現れています。
加えて、現地に住む中で実感することは、日本や日本人に対して、好印象を持っている人が多いという点です。
筆者の経験だと、家を借りる時、大家さんに「外国人には貸したくないけど、日本人なら安心」と言われたことがあります。理由を問うと、「綺麗に使ってくれる人が多い」とのことでした。
また、ベトナム現地の製造業では、「無理な要求をしない」「約束を守ってくれる」という理由から、外国企業との取引は日本企業のみ、という企業も多く聞きます。
中国だと、歴史的背景や政治的な理由で差別を受ける場合があることを踏まえると、日本に対して好印象を持つ人が多いことは、特に初めて海外居住をする方にとっては、大きな安心材料でしょう。
比較的治安が良い
3つ目は、「比較的治安が良い」ことです。
「治安が良い」の感じ方は人それぞれなのですが、「命を落とす危険のある事態に遭遇しやすいか」と考えると、非常に少ないと感じています。
外務省の海外安全ホームページの情報によると、日本人が遭遇しやすい犯罪はひったくり、すり、置き引きなどの「軽犯罪」です。ただ、このような軽犯罪に遭遇するリスクは、海外はもちろん、日本でも同様と言えるでしょう。
同じ東南アジアのインドネシア・バリ島の治安状況を見てみると、「外国人を狙った誘拐」という文字がありますが、ベトナムではそのような表記は見られません。
もし本当に治安が悪ければ、ハノイやホーチミンの街角でよく見る光景である、夜中に道端のカフェで、女性だけのグループが会話を楽しんでいる、という状況はありえないでしょう。
因みに、海外3カ国に住んだ、筆者個人の経験だと、「現地人の女性がやらないこと」を徹底すれば、犯罪に巻き込まれる心配は少ないと言えると実感しています。
私の友人によると、以下の3つを挙げていました。
- 午前0時以降に一人で外出しない。
- 見知らぬ人に話しかけられても反応しない。
- 道端で携帯電話をいじらない。
現地の人でも気をつけることを守る事で、大きな犯罪に巻き込まれる確率は低くなると言えるでしょう。
常に「ベトナムにおいては、自分は外国人」という意識を持つことは求められますが、比較的治安が良いことは、就職先としてベトナムを選ぶメリットと言えるでしょう。
日本人の口に合うローカルフードが多く、日本食レストランも豊富
4つ目は、「日本人の口に合うローカルフードが多く、日本食レストランも豊富」という点です。
ベトナムは、お米が自国で豊富に栽培されていることから、日本人にとって、馴染みのあるお米を活用した多くのメニューがあります。
また、味付けや素材も、日本人に取って親しみのあるもの材料が多く、ローカルフードだけを食べても大丈夫、という現地在住者もいるほどです。
しかも、ハノイやホーチミン、ダナンであれば、日本人が経営する日本食レストランが豊富にあるため、「たまには故郷の味を味わいたい」という方にも安心です。
最近では、前述した親日家が多いという背景から、ベトナム人が経営する日本食レストランも多く目にするようになり、最近では一人当たりの予算約2万円の高級寿司屋も登場もしています。
自炊派の方にとっても快適で、ハノイやホーチミンであれば、日本食材を扱うスーパーに行けば、大抵の日本食材が揃うようになりました。
このように、食事面ではローカルフードと日本食、共に充実していることは、ベトナムを選ぶメリットの1つです。
注意点「待遇が下がっても、ベトナム就職で得たいメリットはありますか?」
ここまで、ベトナム就職のメリット8つを解説してきました。「思った以上に住みやすそう」「想像よりもメリットが多い」と思われた方も多いかもしれません。
ただし、注意点は、「日本で就職するよりも、待遇が下がるケースが多い」という点です。待遇とは、給与だけではなく福利厚生面も含めています。
詳しい解説は別の記事にて行いますが、背景は、「現地採用は、駐在員ではコストがまかない切れないが、日本人を採用したい」ポジションであるケースが多いからです。
「駐在員求人に応募をすれば良い」、という考えもあるのですが、駐在員求人はそもそも数が少なく、企業様がより良い待遇を出す分、選考の難易度も高いのが現状です。
よって、「例え待遇が下がっても、ベトナム就職で得たいメリットはあるか?」を考えると、ベトナム就職がご自身にとって、良い選択かどうか、検討できるでしょう。
まとめ「目的とメリットの検討に迷ったら、コンサルタントに相談を!」
今回は、「ベトナム就職の8つのメリット」というテーマで解説をしてきました。ご自身の転職理由やベトナムを選ぶ理由を検討される上で、参考になれば幸いです。
もし、「一人だと中々考えがまとまらない!」「現地在住者に、もっと詳しく話を聞いてみたい!」と思われた方は、実際にベトナムに住む、HRnaviのコンサルタントがお手伝い致します。
メリットばかりでデメリットはないのか?そんな疑問にも現地からリアルな声でお答えいたします。
下記記事にもご記載ございますので、気になる方はご一読くださいませ。