- 2025.09.13
ベトナムにおける若手ブロックチェーン人材の台頭
近年、ベトナムのIT・スタートアップ業界では、若手人材によるブロックチェーン関連の革新的な取り組みが注目を集めています。都市部を中心に、ハノイやホーチミンの若者たちが自ら起業し、グローバル市場に向けたサービスやプロジェクトを次々と生み出しています。この記事では、ベトナムの若手ブロックチェーン人材の特徴や取り組み、そしてその背景にある社会的要因について考察します。 ■若手人材の特徴と挑戦 ベトナムのブロックチェーン分野で活躍する若者の特徴として、以下の点が挙げられます: 高い技術力と柔軟性:大学やオンライン学習で得た知識を実践的に応用し、従来の業界構造にとらわれないサービスを開発。 グローバル志向:英語や他国語による情報収集・発信能力が高く、国外のパートナーや投資家との連携もスムーズ。 リスクを恐れない起業精神:少人数チームで新規プロジェクトを立ち上げ、試行錯誤を繰り返しながらスピード感をもって市場に挑戦。 私の意見として、こうした若手の強みは「情報の速さ」と「柔軟な発想力」にあると考えます。日本や他国と比べて資金やインフラが整っていない環境だからこそ、創意工夫や効率的な技術活用が求めら ...
- 2025.09.06
ベトナムの外国人労働者制度が大きく変わる!政令219号とは?
2025年8月、ベトナム政府は外国人労働者の管理制度を大きく見直す政令219号を施行します。これは、これまで使われてきた政令152号と70号を統合・更新するもので、企業にとっても外国人労働者本人にとっても影響の大きい制度改革です。 一見すると法律改正のように見えますが、実際にはベトナムがグローバル人材を本格的に受け入れる姿勢を打ち出す、大きな転換点と言える内容です。本記事では、なぜこの改革が必要だったのか、そして企業として何をすべきかをわかりやすく解説します。 何が問題だったのか?改革の背景 これまでの制度では、外国人労働者の職種定義が不明確で、地方によって解釈が分かれることがよくありました。その結果、企業ごと・地域ごとに手続きが煩雑かつ非効率になっており、外資系企業にとっては頭痛の種でした。 さらに、政令70号によってベトナム人労働者の優先採用が義務付けられ、外国人を雇用する前に求人広告の掲載が必要になったことで、実務上のハードルが一層高くなっていたのです。 こうした背景を受けて生まれたのが、今回の政令219号です。煩雑な制度の簡素化と透明性の向上が最大の目的となっています。 政令2 ...
- 2025.08.29
【ベトナム】外国人労働許可の新ルールと変更点
近年、ベトナムで働く外国人にとって、労働許可制度の変更は大きな関心事です。2025年から施行された新制度は、従来の仕組みと比べて手続きや条件が簡略化され、駐在員や現場で働く外国人の負担軽減を目指しています。この記事では、新旧制度の違いや現地で働く方への影響について、できるだけわかりやすく解説します。 ■ 外国人労働許可とは? ベトナムで働く外国人には、基本的に「労働許可証」が必要です。従来は、雇用先の企業が申請を代行し、年齢、職歴、学歴などの条件が厳密にチェックされるため、手続きが煩雑で時間もかかっていました。 新制度では、これらの条件が緩和され、特に短期駐在や現場作業の外国人でも申請がしやすくなりました。私自身も現地で働く駐在員と接する中で、書類の負担軽減は日常業務の効率向上につながると感じています。 ■ 新制度での主な変更点 (1)申請条件の緩和 従来は大学卒以上が基本条件でしたが、新制度では職種によっては実務経験があれば許可が得やすくなっています。 (2)許可証の有効期限 従来は1年単位更新が一般的でしたが、新制度では職種や契約期間に応じて最長2年まで延長可能になりました。 (3 ...
- 2025.08.22
ベトナム人青年が命を救った感動の瞬間:三重県で2人の子どもを救助
2025年8月11日、三重県津市の海岸で、2人の日本人の子どもが高波にさらわれるという緊急事態が発生しました。そのとき、偶然その場に居合わせた2人のベトナム人青年—トン・マイン・トアンさんとファム・クオック・ダットさん—が、迷うことなく海へ飛び込み、命がけで子どもたちを救助しました。 🌊命がけの救助劇 その日、2人は海辺での休日を終え、帰ろうとしていたところ、助けを求める悲鳴を耳にしました。波は荒れ、風も強く、子どもたちはすでに岸から約100メートルも離れていました。状況は非常に危険でしたが、2人は即座に行動を起こし、命をかけて海へ飛び込みました。 「子どもたちの泣き声を聞いた瞬間、何も考えずに助けなければと思いました」とダットさんは語ります。 「波が強くて、途中で諦めそうになったけど、泳ぎの経験と周囲の応援が力になりました」とトアンさんも振り返ります。 🏅感謝と称賛の声 この勇敢な行動はすぐに地元の消防署や市民の間で話題となり、8月22日には津市消防署で表彰式が行われました。式には在日ベトナム大使のファム・クアン・ヒエウ氏も出席し、2人に感謝状を授与しました。 津市消防署長の井野拓海 ...
- 2025.08.15
急増する中食ニーズに応える!ベトナムのコンビニ最前線とライフスタイルの変化
近年、急速な経済成長と都市化が進むベトナム。その変化の中で、今ひときわ存在感を増しているのが「コンビニエンスストア(CVS)」です。都市部を中心に大手チェーンの出店が加速し、ベトナム人のライフスタイルを大きく変えつつあります。この記事では、ベトナムのコンビニ市場が今なぜ注目されているのか、その背景や将来性、中食(なかしょく)文化との関係性について考察します。 ■ ベトナムにおける“コンビニ”とは? 日本でおなじみのコンビニが、今ベトナムでも急速に広まりつつあります。代表的なブランドには以下のようなものがあります: Circle K:国内最大規模の展開数を誇り、都市部を中心に24時間営業。 FamilyMart:日本資本を背景に、弁当やおにぎりなど和食系商品が人気。 WinMart+(旧VinMart+):ベトナム国内ブランドで、ローカル色を活かした商品展開。 Mini Stop:イオン系列で、日系クオリティを活かした商品ラインナップが特徴。 これらの店舗は単なる「日用品を買う場所」ではなく、現代都市生活における“食のインフラ”として存在感を強めています。 ■ 中食需要の増加と都市化の影 ...
- 2025.08.08
なぜホーチミン市は世界で2番目に「外国人居住者を引き留める」都市と評価されるのか
ジョーク・オッター・ファン・ズイレンさん、2025年8月、ホーチミン市トゥードゥック区の食堂にて。写真は本人提供 ⼈都市調査「City Pulse 2025:The Magnetic City」では、ホーチミン市は外国人居住者を引き留める力で世界第2位にランクされ、61%以上の外国人が「離れるつもりはない」と答えました。対象は全世界65都市の3.3万人で、市選びの理由や都市デザインを探る調査です。 1996年、ジョーク・オッター・ファン・ズイレンさんは、ご主人とともにオランダからホーチミン市に移住し、当初は3年間の滞在を予定していましたが、30年が経った今でも「この街から離れられない」と語ります。 ご夫妻はイギリスとポーランドのノバルティス社でそれぞれ3年以上勤めた後、世界各地を巡るノマドライフを想定していました。しかし、ホーチミン市はその計画を一変させたのです。 二か月足らずでホーチミン市に魅了され、「国際色豊かな小さな村」のように感じるタオディエン地区では、夕食を求めてバイクで出かけたり、屋台やカフェ、格式あるレストランへ気軽に行ったりと、予約や計画なしで生活が楽しめます。温暖で明 ...
- 2025.08.01
ベトナムのフードデリバリー競争が映す“生活インフラ”の新常識とは?最新動向を徹底解説◎
近年、急速に都市化とデジタル化が進むベトナム。そのなかでも注目を集めているのが、日常生活に深く浸透しつつある「フードデリバリー」サービスです。GrabFoodやShopeeFoodなどをはじめ、多数の事業者がこの市場に参入し、都市部を中心に激しい競争が繰り広げられています。本記事では、ベトナムのフードデリバリー業界の現状や背景、そしてその裏側にある社会変化について解説します。 ■ ベトナムのデリバリー市場:日常の「当たり前」に変化 かつては電話注文や店頭での持ち帰りが主流だった食事の購入スタイルも、コロナ禍を契機に大きく転換しました。今では都市部に住む若年層を中心に、「アプリで注文して家で受け取る」スタイルが定着しつつあります。 代表的なプラットフォームには以下のようなものがあります: GrabFood:東南アジア最大の配車・デリバリーアプリGrabが提供。ベトナム全土で利用可能。 ShopeeFood:EC大手Shopeeが運営。プロモーションや割引施策が豊富。 Baemin:韓国発のアプリで、都市部を中心に勢力拡大中。 Loship:地場系スタートアップによる挑戦者。ユニークな提携 ...
- 2025.07.25
TP.HCM、排気ガス対策に向けてガソリン車の制限を本格化!
ホーチミン市では、環境保護と持続可能な都市づくりに向けて、本格的な「排気ガスゼロ都市」への転換が始まりました。特に注目されているのが、ガソリン車の段階的な制限と、公共交通の電動化です。 2025年から、市内を走るバスの完全電動化に向けた計画がスタートします。現在、すでに約31%のバスが電気やCNG(圧縮天然ガス)などグリーンエネルギーを使用しており、2030年までには全てのバスを電動または環境対応型の車両へ移行させる予定です。これにより、市中心部や観光地として知られるコンダオなどのエリアでは、化石燃料車の乗り入れが大幅に制限されることが期待されています。 また、配送やライドシェアなどで使われるバイクに対しても対策が強化されます。ホーチミン市では、約40万台のガソリンバイクが毎日稼働しており、平均で1日80~120kmもの距離を走行していることから、環境負荷が高いとされています。これに対応すべく、2026年からは電動バイクへの転換支援政策が導入され、2029年までにすべてのバイクを電動化する方針が示されています。 転換を支援する施策としては、電動バイク購入時の低利融資や税金・登録手数料の ...
- 2025.07.18
GreenSMとVINFASTが切り開く、ベトナム発EV革命と巨大インフラ開発の現在地
近年、ベトナムの都市交通やインフラ分野において、革新的な動きが加速しています。中でも注目されているのが、電動タクシー事業「GreenSM(グリーン・エスエム)」と電気自動車メーカー「VINFAST(ヴィンファスト)」の急成長です。この記事では、これらの企業がベトナム国内外でどのような影響を及ぼしているのかをわかりやすくご紹介します。 ■GreenSMとは? GreenSMは、ベトナム最大財閥・ビングループが展開する電動タクシーサービスで、設立からわずか数年で配車アプリ市場に革命をもたらしました。これまで業界トップだったGrabを抜き、現在ではベトナム国内でのシェア1位に。さらにラオスやインドネシア、フィリピンなどのASEAN諸国にも進出しています。 この成長の背景には、低コストかつ環境に優しいEV(電気自動車)の活用があり、都市部のモビリティを大きく変えつつあります。 ■VINFASTの役割 GreenSMの車両の多くは、同じビングループ傘下のVINFAST製。EV市場におけるVINFASTの存在感は年々高まり、国内調達率80%を目指した取り組みも進行中です。ベトナム政府と連携し、工業 ...
- 2025.07.14
ベトナム人の計画性のなさ
ベトナムとご縁があって、ベトナム人の結婚式に呼ばれて、出席したことがありますか? 招待状には午後6時からスタートと書かれているため、まじめな日本人は6時前から来ますが、開宴時間はほとんどは7時過ぎ、雨なんかでひどい時は7時半まで待たないといけない。悪いことに、どうせみんな遅れるから早く行くと損すると思って、この慣習は一向に変わる気配がありません。早く来るマジメな人たちは損する形になってしまっています。 もう一つ記憶に残る事例がありました。 ベトナムで少し前まではヘルメットを着用するのが義務化していませんでした。 それが、義務化になったのは2007年12月15日でした。そのために、法律施行するずっと前に(どうもそれがJICAの支援らしいですが)バス停やビルボードなどで、ヘルメット着用を促す大規模な告知が行われました。そこで、何か起きたかというと12月14日の夕方以降ヘルメット売店には購入者で長い行列ができました。ヘルメットを購入して翌日の法律施行に間に合わせるためでした。全国民が一気にヘルメット着用義務化されるということで、法律施行できないではないかという心配を一掃する国民の順応性で、世 ...
- 2025.07.11
「ベトナムあるあるニュース」歩道は誰のものなのか?
ハノイの歩道で起きた小さな争いが、大きな議論に発展しました。 先日、ハノイ市のミーディンバスターミナル前で起きたある出来事が、SNSで広まり、多くの人々の関心を集めました。きっかけは、歩道でバスを待っていた若い女性と、そこで商売をしていた53歳の露店商人とのやり取りでした。 露店の女性は「ここは自分の商売の場所だ」と主張し、若い女性にその場を離れるよう求めました。しかし女性がそれに応じなかったため、露店商人は腹を立て、女性のキャリーケースを蹴るという行動に出てしまいました。 この様子は通行人によって撮影され、SNS上に投稿されるとすぐに拡散されました。警察も状況を把握し、調査に乗り出しました。その結果、露店商人が警察の巡回が少ない時間帯を狙い、許可なく歩道で営業していたことが確認され、公共の場所を私的に占有した行為と見なされました。最終的に250万ドンの罰金が科されたとのことです。 このニュースに対して、SNSでは「歩道は市民全員のものであり、個人の商売の場所ではない」「公共の場でのふるまいにはもっと思いやりが必要だ」といった厳しい声が多く見られました。露店商人にも生活の事情があるのか ...
- 2025.06.14
こだわりのないベトナム人
私が日本留学している1998年頃に、たまたまベトナム中部で大きな台風と洪水に遭い、大変な状態になっていました。ベトナム全国から募金活動が行われ、日本にいた私もベトナムのため何かに貢献したいと思い、当時私が入ったロータリーアクトクラブメンバーに相談してみました。自分の地域で募金しようということになり、さっそく作戦会議が行われました。随分時間も経っているので、詳細は覚えていませんが、延々と続いている作戦会議、誰も帰ろうとしなかったことはよく覚えています。その後、募金箱を作って、その地域のほぼすべてのお店に募金箱を置かせてもらって、最終的に50万円も集められ、私がそれをベトナム領事館を通じて、ベトナムに送金することができました。 ※今なら、セルフィ写真を撮って、Facebookにアップしたいところですね笑。 今思えば、当時の長い長い会議というのは何とかベストな成果を出したいという強いこだわりがあるから、そうなっていると分かります。その後、日本で、就職して、「手に誇れる商品を作れ」というようにこだわりを持って、仕事に取り組むことを教わったわけです。時には拘り過ぎてしまうこともある気がしますが、 ...