今回はベトナムの文化の中でも一大イベントの『女性の日』についてご紹介いたします。
日本ではまだ馴染みの少ない日ですが、ベトナムではとても大切な日です。
日本でいうクリスマスやバレンタインデーに匹敵する規模で、女性はこの日を心待ちにしていますので、男性陣は仕事でもプライベートでもその期待に応えたいところですね!
この記事では、
・ベトナム女性の日って?
・ベトナム女性の日の由来
・国際女性の日もお祝いする?
・何を贈ったらいい?
という疑問にお答えいたします。
女性の日をどう攻略するか、ベトナム生活ではとっても大切なので男性の皆様!必見です!
「ベトナム女性の日」は毎年10月20日
ベトナム女性の日はベトナム語で「Ngày Phụ nữ Việt Nam(ガイ フーヌー ヴィエットナム)」と言います。この日は日頃からお世話になっている家族や同僚・友人・大切な人に男性から女性に花束をはじめとしたプレゼントを感謝とともに贈る日です。
「Phụ nữ」は「女性」
を意味しています。
ベトナム女性の日の由来
1927 年以来、多くの女性大衆組織が結成され始め、多くの女性が参加するようになりました。フランス侵攻以来、女性たちは「カン・ヴオン運動」「ドン・キン・ギア・トゥック運動」「ドン・ドゥ運動」などの愛国運動やフランスの侵略に反対する運動に積極的に参加していきました。
共産党は「女性が革命の重要な力であること」に気づき、「民族解放と階級解放と関連して女性を解放しなければならない」という課題を設定し、1930 年 2 月 3 日の党の最初の綱領「男女の平等」で確認されました。
こうして「ベトナム反帝国主義女性協会」が設立され、後に「ベトナム女性(婦人)同盟」と改名され、戦時中も平時でも社会的政治的役割を果たす組織となりました。
「ベトナム女性の日」は当初は単なる党の記念日でしたが、ドイモイ政策が本格化した1990年頃から「女性に感謝する日」として北部の人たちに広まっていったようです。2023年で結成から93周年を迎え、ベトナムでは1世紀近く男女の平等が認められているということはベトナムに住む私たち日本人も理解しておくべきことですね。
女性の日の南北の違い
1976年にベトナム南北統一がなされるまで、南ベトナムでは南ベトナム政府による政治が行なわれていたため、統一されるまでは南部にはあまり「ベトナム女性の日」が浸透していませんでした。代わりに1世紀に中国支配に抵抗したハイ バー チュン(Hai bà Trưng、2人のチュンという女性)の命日とされている旧暦2月6日が「ベトナム女性の日」になっていました。
南ベトナム政府の崩壊により、この女性の日はなくなってしまいました。しかし、現在は旧暦の2月6日に近い国際婦人デー(3月8日)の機会に、ハイバーチュンの功績を称えています。
国際女性の日(3月8日)もお祝いする
「国際女性の日」は1904年にニューヨークで起こった婦人参政権を求めたデモを受け、ドイツの社会主義者が「女性の政治的自由と平等のためにたたかう」記念日を提唱したことが起源とされ、1977年の国連総会によって議決されました。日付は「国際女性デー」が国連総会で提唱された1975年3月8日に由来しています。
ベトナムでも、先ほど紹介した「ハイバーチュン」の功績と共にベトナム女性を尊重する精神性に沿っているとして盛大にお祝いされます。
「国際女性の日」は世界的に浸透しつつありますが、日本ではあまり馴染みがありませんよね。残念ながら日本のジェンダーギャップ指数総合順位は、146か国中116位(前回は156か国中120位)と先進国の中では低く、ジェンダー平等の意識が浸透しているとは言えない状況です。
2回ある女性の日に何を贈る?
日本では馴染みの薄い「女性の日」に何をプレゼントすればよいのか悩んでしまいますよね。以下の記事を参考にベストなプレゼントを選ばれてみてください。
相手のニーズに応じた贈り物を
プレゼントを貰うことで贈り主からの気遣いを感じ、信頼関係の構築やモチベーションアップに繋がります。予算を決めて、相手の好きなものや生活状況に応じてプレゼントを決めるとよいでしょう。日常生活が豊かになるものや実用的なものが喜ばれる傾向があります。
プレゼントの価格はどれくらい?
お店に並ぶ女性の日のギフトセットは、およそ200,000VND~の価格帯が多い印象です。プレゼントを贈る相手との関係性を考慮して選ぶとよいでしょう。さらにプレゼントを渡す際、一言添えるとプライスレスな感謝の気持ちが伝わるはずです。
「女性の日おめでとう!」: Chúc mừng ngày phụ nữ Việt Nam!
「(同僚に)いつもありがとうございます」:Rất chân thành cảm ơn bạn
「愛してるよ」:Anh yêu em!
どんな贈り物をする?
職場では、女性職員に男性職員達がお金を出し合って、花とプレゼントを買ってあげたり、食事をごちそうしてあげたりするのが一般的です。職場でイベントを企画することもあるようです。
恋人に対しては、花とプレゼントやいつもより良いディナーに連れて行ってあげたり、遊びに行ったりすることが一般的とされています。最近では、ブランドや宝飾品など高額のプレゼントを贈る場合も増えているそうです。サプライズの演出や想いのこもったプレゼントが喜ばれる傾向にあります。
妻や母親なら、花と一緒に洋服・化粧品・ジュエリーなど、相手が好きなプレゼントを贈ります。また、この日は食事の準備など家事を全て男性が引き受け、妻を休ませてあげるということもあり、ベトナムに住む男性にとっては一大イベントとなっています。
プレゼント選びにはこちらの記事もご参照ください▼
プレゼントのタブーはある?
「ハンカチ」や「刃物などの鋭利なもの」は別れを連想させ不吉とされているようです。日本でもこうした風習が見られることがありますよね。ベトナム人も気にする人はいるようですので、避けた方が無難と言えるでしょう。
現金をプレゼントすることも!?
日本では現金を直接プレゼントすることに抵抗がある人の方が多いですが、ベトナム人にとっては現金を貰うことは「送り主にも自分にも幸運をもたらすこと」と考えられているそうです。「物よりも現金をもらった方が嬉しい」と思うベトナム人は多くいます。
「マネーフラワーブーケ」と呼ばれる、現金を花束に見立てて贈れるサービスもあり、文化の違いを感じることができます。「何を贈っていいのかわからない」という場合は、ギフトカードや商品券なども選択肢にいれるとよいでしょう。
女性にとってベトナム移住はメリット!?
ベトナム就職した日本人女性も「女性の日」にはもれなくプレゼントを受け取ることができます。例えば、買い物先やレストランでバラの花束やプチギフトをもらえるところもあれば、お店で割引セールを実施していたり、ホテルではスイーツのサービスがあったりします。
日頃「働くことが当たり前」になっていますが、こうして改めて感謝を伝えられると思わず嬉しい気分になり「明日からも頑張ろう」と思えますよね。
女性が働きやすい国ベトナム
ベトナム統計総局によると、2020年時点の15歳以上の女性の労働参加率は68.7%と世界平均の49%を大幅に上回り、社会労働力の45.4%が女性であるそうです。また、女性の管理職の割合も39%と高く、これは世界的に見てもフィリピン、ブラジルに次ぐ3番目だそうです。
女性が活躍しているベトナムでは「経営者や管理職が女性」ということは珍しくなく、女性の働きが評価されています。さらに「ベビーシッター」や「家事代行」などが利用しやすく、「ワークライフバランス」をとりやすいという点からも女性が安心して働ける国であると言えるでしょう。
レディーファーストの国ベトナム
前述したように、歴史的な経緯からベトナムではレディーファーストの習慣が根付いています。
ドアを開けてあげる
荷物を持ってあげる
食べ物を取り分けてあげる
ベトナム人男性はこういった行動をスマートにできる人が多い印象です。このように、ベトナムでは女性に対するリスペクトを感じられる場面をよく見かけることできます。
まとめ
ベトナムは歴史的に女性が尊重されており、プレゼントを贈ったり感謝の気持ちを伝えたりと女性を大切にする素晴らしい文化があることがわかります。「SDGs」が掲げる「ジェンダー平等社会の実現」の一歩先を行くベトナムでの生活は未来の視野を広げていくはずです。この記事が参考になりましたら幸いです。