- お役立ち情報
- 2022.11.25
- ベトナム語の勉強に挑戦したい。
- ベトナム語を学習したいけど、何から始めたら良いか、分からない。
- ベトナム語を勉強し始めたけど、もっと良い学習方法は無いかな。
このような悩みにお応えしていきます。
場所を問わずに始められる、ベトナム語の独学法6つをご紹介
本記事では、「場所を問わず始められる、ベトナム語を独学する方法」をご紹介します。
外国語学習における最良の手段は、「現地の語学学校で集中して学習すること」でしょう。
これは、ベトナム語だけではなく、他の言語でも言えることです。
ただ、様々な理由から、独学をしたい人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、以下のような「ベトナム語学習に興味を持っている人」に向けて、ベトナム語の勉強方法6つをご紹介します。
- 近々ベトナムに渡航予定があり、ベトナム語学習に興味がある。
- ベトナム就職が決まり、渡航までにベトナム語の勉強をしておきたい。
- ベトナム在住だが、独学でベトナム語を学習したい。
筆者は、これからご紹介する方法を実践し、ベトナム就職から6ヶ月ほどで、会話が出来るようになりました。
この勉強方法により、独学で「ゼロ」から「現地人と会話のキャッチボール」が出来るレベルを目指してみて下さい。
ベトナム語の勉強方法その①「勉強する方言を選ぶ」
まず最初に、勉強する方言を選びましょう。
理由は、地方により、発音や使う単語、表現が異なるからです。
ベトナムには58の省があり、南北に伸びる広大な地形から、場所によって使う言葉が変化しているのです。
例として、男性が、カフェでベトナム風ミルクコーヒーを注文する言い方を見てみましょう。
ここでは、首都ハノイのある北部地方と、ホーチミンのある南部地方を取り上げます。
- 北部「Cho anh 1 cốc cà phê nâu đá.」
- 南部「Cho anh 1 ly cà phê sữa đá.」
意味はどちらも「(私に)ミルクコーヒーを1つ下さい」ですが、以下のような違いがあります。
- 「anh」の発音: 北部は「アイン」、南部は「アン」に近い
- 「cốcとly」: 意味はどちらも「杯」
- 「cà phê nâu đá」と「cà phê sửa đá」: 意味はどちらも「ミルクコーヒー」
今回は単純な例を紹介しましたが、地方ごとに異なる発音、単語、表現は無数に存在します。
これが、まず学習する方言を選んだ方が良い理由です。
どの方言を選ぶかは、これから渡航、居住する場所に合わせて選ぶのがベストです。
渡航予定の無い日本在住の方は、自分が話したいベトナム人の出身地を聞くと良いでしょう。
経験上、相手の出身地で使用される方言で話すと、より好意を持ってもらいやすくなります。
ただ、方言が選びにくい方もいらっしゃるでしょう。
その場合は、「中部の都市ダナン」を基準に選ぶと、意思疎通がしやすいと実感しています。
- ダナンより北部に渡航: 北部方言(標準語)
- ダナンを含む南部に渡航: 南部方言
方言がこのように大きく二分する理由としては、ベトナム戦争が関係していると考えられています。
当時、ダナンの北25km程にある「ハイヴァン峠(Đèo Hải Vân)」を境に、北ベトナムと南ベトナムに分かれていました。
実際にダナンから、ハイヴァン峠を超えた最初の都市フエに移動すると、使う方言が変化することに気が付きます。
ぜひ地図を見ながら、ご自身の渡航先・居住先の位置を確認してみて下さい。
もし北部と南部のどちらにも行かれる方は、標準語である北部方言を選ばれると無難です。
ベトナム語の勉強方法その②「会話形式と表現集の本を1冊ずつ買う」
次に、会話形式と表現集の本を1冊ずつ購入しましょう。
計2冊を入手することで、それぞれの弱みをカバーすることが出来るのです。
- 会話形式の本
- 強み: 複数人での会話表現を勉強できる。アルファベットから文法まで網羅的に学べる。
- 弱み: 実際に使いたい表現が、載っていない場合がある。
- 表現集の本
- 強み: シチュエーション別の表現を多く学べる。
- 弱み: 文法が解説されていない。
日本の書店やECサイトで、中身を確認の上、ご自身が学びやすいと思う本を選びましょう。
また、可能であれば音声付きの本を選びましょう。
目と耳の両方で学習を進め、ベトナム語特有の発音に慣れるためです。
既にベトナムにいる人は、日本のECサイト経由で電子書籍の入手、もしくは紙本の海外発送を活用すると良いかもしれません。
海外発送に抵抗があるが、紙の本が好ましい方は、ベトナム現地の書店で入手が可能な、ベトナム人が執筆したテキストを活用してみて下さい。
日本で入手できる本に比べると、見やすさは劣りますが、必要な内容は網羅されています。
ここで重要なのは、「複数に手を広げず1冊ずつに集中すること」「お金を払うことで学ぶ意欲を引き出す」という点です。
全てを完璧に解説した本はないので、「まずはこの1冊をマスターする」という気持ちで、選択肢を絞りましょう。
すると、あれもこれも手を出した挙げ句、どの本もやり切らず、中途半端になる状況を防ぐことができます。
また、オンラインの無料学習サイトも登場していますが、無料だと気軽に止められることがデメリットです。
「ベトナム語を勉強するぞ」という決意を決めるためにも、身銭を切って本を購入されることをオススメします。
ベトナム語の勉強方法その③「最短で2冊の本を読み通す」
次は、入手したテキスト2冊を、最短で読み通しましょう。
とにかく時間を掛けず、なるべく早くやり切る事がコツです。
例え、時間を掛けて勉強しても、2冊の内容をマスターし、最初から完璧な発音と正しい文法を身につけることは困難だからです。
また、序盤の基礎的な内容で飽きてしまい、挫折する事も防げます。
よって現段階では、以下の知識・感覚を身につけることを優先しましょう。
- ベトナム語の発音と文法の違いを、ざっくり把握すること。
- 基本的な挨拶や言い回し
- 「2冊やり切った!」という自信
ゆっくり勉強を進めるよりも、勉強意欲を維持しやすいと感じられるはずです。
また、勉強期間や方法については、ご自身のスケジュールとスタイルに合わせて進めて頂き、構いません。
オススメは、以下の方法です。
- 休日に4〜5時間ほど、まとまった時間を確保する。
- 1冊につき2〜3時間以内で、テキストの内容(日本語、ベトナム語ともに)を音読する
- 音声が付属していれば、ベトナム語の発音を真似する
音声のペースに従うことで、黙読よりも集中力を高めやすいはずです。
音読中、「正しくベトナム語を発音する自信が無い」という迷いが生まれるかもしれません。
ただ、現段階では「聞こえた通りの音を真似するだけ」で構いません。
とにかく自分なりに発音し、ベトナム語を体感することを第一目標に置いてみて下さい。
ベトナム語の勉強方法その④「覚えた表現をベトナム人に話す、を繰り返す」
続いて、テキストで覚えた表現をいくつか選び、ベトナム人に話してみて下さい。
目的は、ネイティブスピーカーと自身の発音の、ギャップを体感することです。
外国語学習において、最初から現地の人に通じることは稀です。
特にベトナム語だと、驚くほど現地人に通じない事は、現地に渡航された方なら、実感のあることでしょう。
よって、テキストを読み通した段階で、とにかくベトナム人に向けて話してみましょう。
家庭教師を雇うことも1つの手ですが、課金に抵抗がある方は、ご自身の身の回りの環境を活かしてみましょう。
- ベトナム現地の食堂やカフェに出掛け、注文する。
- 現地のタクシーの運転手に、行き先を伝える。
- 同僚や友人に、自己紹介をする。
- 日本のベトナム料理屋の店員に、挨拶をしてみる。
「通じなかったら、恥ずかしい」という不安もあるかと思います。
ただ、経験上、一生懸命ベトナム語を話そうとする人に対し、ベトナム人は理解しようと努力をしてくれます。
フレンドリーな方や近い関係の人であれば、通じなかった時、本の内容を見てもらっても良いでしょう。
実際に発音してもらうと、いろんな方の発音に触れ合う良い機会になります。
ただ、日本在住の場合、「周囲にベトナム人がいない」という人もいるでしょう。
そんな時は、数千円ほどの課金は必要になりますが、オンラインのベトナム語講座を活用してみて下さい。
実際にベトナム人に向けて話した後、一人の時に再度テキストで復習しましょう。
音読し、音声を何回も真似した後、同じ場所や似ている環境で、再度同じフレーズを話してみて下さい。
この「テキストから使いたい表現を選ぶ」「ベトナム人に話してみる」「復習する」「再度話してみる」を繰り返すことで、徐々に発音と語彙力が磨かれていきます。
ベトナム語の勉強方法その⑤「自分が言いたい表現を日本語でまとめ、ベトナム語で何と言うかを聞く」
次の段階では、自分が言いたい表現を日本語でまとめ、ベトナム語で何と言うか、聞いてみましょう。
前述の「勉強方法その④」を繰り返すことで、一定レベルまで、発音の正確さと表現力が高まることを実感するはずです。
一方で、次のような壁にぶつかるケースも増えるのではないでしょうか。
- 語彙や表現の幅が増えない。
- 言いたい事はあるけどテキストに書いてない。
ここまで来ると、一人での学習にも限界が見えてきます。
よって、まずは身近に「気軽にベトナム語について質問できる人」を見つけましょう。
ベトナム人の家庭教師を雇うことが、最も早い手段です。
もし同僚や友人に、協力的な方がいれば、是非手伝ってもらいましょう。
その時のコツは、相手となるベトナム人として、日本語で意思疎通ができる人を選ぶことです。
もしご自身が英語を話せる場合、英語話者でも構いません。
「自分が話せる言語で質問ができる相手」を見つけることで、自分の言いたい表現のニュアンスを伝えることができるからです。
その後、以下の方法を実践して下さい。
- Google翻訳で、自分の伝えたい内容を日本語(英語)で打ち込む。
- ベトナム語の内容をメモし、ベトナム人に話してみる。
- 通じなかったら、日本語(英語)を見せて、正しいベトナム語の表現を教えてもらう。
- 通じたとしても、より自然なベトナム語の表現を教えてもらう。
日本語・英語間よりも正確さには劣るものの、日本語・ベトナム語間のGoogle翻訳の精度は、年々高まっています。
筆者の体感だと、翻訳結果が正しく、自然である確率は5〜60%ほどです。
よって、Google翻訳でベトナム語に訳した後、実際にネイティブスピーカーに通じるか、試してみましょう。
紙やスマートフォン・アプリの辞書を活用しても構いません。
ただ、「文章の翻訳が出来ること」「持ち運びと、使う時の手軽さ」「ある程度の正確さ」を兼ね備えているのは、今のところGoogle翻訳のみです。
「自分が伝えたいこと」から逆算することで、語彙や表現を増やしていくことが、5つ目の方法の目標です。
ベトナム語の勉強方法その⑥「スキマ時間はベトナム語の音声を聞く」
最後にご紹介する方法は、スキマ時間はベトナム語の音声を聞くことです。
目的は、「ベトナム語のリズムと音声に慣れる」ためです。
ベトナム語を聞くと、その独特のリズムを感じられるかと思います。
また、「11個ある母音」に代表される様な、日本語とは異なる音も使用されています。
こういった、ベトナム語特有のリズムと音声に慣れるため、スキマ時間はベトナム語の音声を聞くことをオススメします。
コツは以下の通りです。
- 興味のある分野を選ぶ。
- スマートフォンからオフラインで再生できるようにする。
- 自宅や移動中問わず、空き時間があれば、ベトナム語を聞く習慣をつける。
- 傾聴せず聞き流す。
- 内容を理解しようとしない。
ご自身が興味のある内容を選び、場所や時間を問わずに聞く環境を整えることで、継続しやすくなるでしょう。
参考として、筆者が実践する方法をご紹介します。
- 興味のある分野に関連する単語を、Google翻訳でベトナム語に訳す。
- 例:ニュース:tin tức, 健康:sức khoẻ, サプリメント:thực phẩm chức năng
- YouTube上で検索する。
- 面白そうな動画を探し、オフラインに保存する。
- 出勤中や移動時間は、必ずイヤホンを装着して再生する。
- 自宅では、常に音声を掛けっぱなしにする。
まとめ「独学の最大の秘訣は、毎日の継続」
今回は、「ゼロから半年で話せるようになる方法」ための、ベトナム語の勉強方法6つをご紹介しました。
記事の内容をまとめます。
- ベトナム語の勉強方法その①「勉強する方言を選ぶ」
- ベトナム語の勉強方法その②「会話形式と表現集の本を1冊ずつ買う」
- ベトナム語の勉強方法その③「最短で2冊の本を読み通す」
- ベトナム語の勉強方法その④「覚えた表現をベトナム人に話す、を繰り返す」
- ベトナム語の勉強方法その⑤「自分が言いたい表現を日本語でまとめ、ベトナム語で何と言うかを聞く」
- ベトナム語の勉強方法その⑥「スキマ時間はベトナム語の音声を聞く」
今回ご紹介した方法で、最も重きを置いている事は、「毎日継続すること」です。
短時間でも良いので、とにかく日々ベトナム語に触れる。
そうすれば、少しずつ進歩する事を実感するはずです。
上記6つの勉強方法が、ベトナム語の勉強を決心し、学習を進める後押しになれば幸いです。